スタックについてもうちょっと考える

本日は登別でのお仕事。
設置した機器がネットワーク上位の不具合で
稼働せず、ただただ2時間以上も待機でした。
気温はそんなに低くはありませんでしたが風が強く、
一時は吹きさらしの屋上に居たので、体が
冷えきってしまいました。。。

で、現在は明日のお仕事のせたな町まで
移動して宿に収まりました。

カラスの行水の拙生ではありますが、
体を温めるために10分ほど我慢して温泉に
浸かってみたので今はポカポカです。

netoi1
     こんなところに宿泊設備があるの?って心配に
     なるくらいの田舎のサビれた温泉宿です。
     入り口に薪が大量に積んでありました。

netoi2
      薪ストーブが所々に置いてあります。
      (部屋は石油ストーブ)

netoi3
       気さくな女将が弾くのでしょう。
       懐かしい大型コンポもありました。
       廊下や食堂などあちこちにこれまた懐かし過ぎる
       レコードのジャケットが飾られていました。

10日はこの近辺2ヶ所を回って、登別に戻り
本日の続きをササッと終わらせて帰札します。

さて、昨日のポスト続編です。。。(笑

シミュレーションソフトで同等のゲインやF/Bを持つもの同士で
比較してみると、わずかではありますがスタック効果のあるものは
パターンが優れており、特に真上に向かうエネルギーはかなり
少なくなっています。

いくつかの具体的数値を上げると、メインローブの次に大きな
ものを2ndローブと呼ぶとすると、シングル八木ではメインローブより
-5.05dB低い2ndローブが35.5°に存在しますが、Quadの2ndローブは
34.4°であり-5.92dBとなります。
シミュレーションしたモデルでは、Quadにおける仰角90°(真上)には
-18.75dBの輻射がありますが、シングル八木は-16.5dBと2dB以上の
差があります。
しかもピーク値の差のみならず、そのあたりのパターン面積が広いため、
エネルギーの拡散を見ることができます。

ではλ/2間隔の八木をスタックにしたままで、上下いずれかの
アンテナだけに給電したらどぉなるのでしょうか。
実は上側のアンテナは単体時の9.3°が8.9°と打上角が若干低くなり、
下側のアンテナは逆に単体時13.4°が16°と高くなります。
では上側のアンテナだけでも喜ぶべき?
いえいえ、メインローブが下がったのは2ndローブのほかに
3rdローブが出て、垂直面で押しくら饅頭が始まり、3rdが52°程度で
-13.8dB(ただし面積は広い)、2ndは3rdに押されて28°位になりますが、
メインローブとの差は-1.6dBです。
真上にあったパターンは後方-35°に押しやられますが、ピークも面積も
ほぼ変わりはありません。
下側のアンテナの垂直面パターンは・・情けないとしか言えません。

6mなど地上高が数波長にも高なるような場合、スタックでも
3rdローブやシングルだと4thローブ(?)なんてのが出てきちゃったり
しますが、エネルギーの集中や拡散の度合いでは同様な傾向であります。
(多少改善されるが1波長間隔のスタックでも似たようなもの。)
ですから以前にも力説したように、特に下のアンテナの理想的な
地上高とスタック間隔が1λ程度取れない八木をスタックにして、
スタック・上だけ・下だけ、と切り替えをすることは全くお勧め
できるものではありません。
確かに切り替えれば変化があるので、効果があるように思って
しまうのでしょうが、極端に言うと、スペックが落ちたアンテナ同士の
不毛な比較になりかねないということです。

スタックはスタックのままで使う。

メーカ製のアンテナをそのままスタックにするときは十分な地上高
(特に下のアンテナの地上高)と1λ程度のスタック間隔が必要であり、
1λ間隔では開口面積が離れてしまうような少ないエレメントのアンテナで
λ/2くらいしか離せない、または下側のアンテナ高が十分でないときなどは、
スタックに特化したアンテナの最適化が必要であると肝に命じてください。

以上のことを総合して考えると、λ/4しかスタック間隔がないのに
エネルギー拡散の少ないQuadは非常に優れたアンテナと言えるでしょう。

そろそろ手順書を確認して寝ることにします。

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