無線系

無線系
ここでは無線を知らない方にちょっとだけ説明を。
無線をやっていてそんなこと百も承知という方は
さっさとサブメニューへ飛んでください。。。

お仕事も趣味も無線に深いかかわりがあります。
無線と言ってもお仕事の無線と趣味のアマチュア無線では
全くと言ってよいほど違うものです。

業務での無線

通信の相手方は限定されます。
 例えば我が札幌市の場合
 札幌の防災無線では通信の相手方は札幌市の機関や
 関係車両など、申請時の通信の相手方に限定されます。
 消防無線の全国共通波などは、災害時に異なる行政機関
 からの応援の際などに使われるため、通信の相手方も
 広範囲に認められているという特殊な例もありますが、
 基本的にはそうなのです。
 ですから普段は同じ周波数で不都合なく使用している
 遠方の局が、異常伝搬などで聞こえてきたからと言って、
 挨拶することはできませぬ。(笑

限定された範囲で高品質な通信
 業務では確実な通信が要求されます。
 引き続き札幌市を例にとれば、立地条件の良い
 (電波が良く飛ぶ)いくつかの基地局と多重回線で結び、
 車載や携帯無線向けの無線機を遠隔操作で運用します。
 札幌の南区は面積の半分以上が入り組んだ山岳地帯で、
 全域で不感(電波が届かない)地帯をなくすることは
 予算的に不可能ですが、防災や消防活動に支障のないように
 高品質な通信が可能になるよう努力しています。

 と言っても業務では異なる行政機関へ同じ周波数を
 割りあてることがあるため、極力札幌市以外に電波が飛んで
 混信などを起こすオーバーリーチが発生しないよう、
 送信出力は最高でも25W程度で、5Wや10W、確実に通信が
 可能な場合は0.1Wの免許なんてのもあります。

アマチュア無線
 
通信の相手方
 
 相手が正規なアマチュア無線局に限定されます。
 正規なアマチュア無線局であれば、特別な場合を除き
 世界中の誰とでもOKです。
 
 
 特別な場合といっても一般的な解釈なのかも
 しれませんが、海外との交信についてです。
 アマチュア無線には1級から4級までの無線従事者
 免許があり、その資格内で無線局を開局します。
 無線従事者免許の4級は、電信(所謂トンツーってやつで
 モールス符号を使用する通信方式)の資格を持ちません。
 (ノーコードライセンスとも言う)
 4級の前身である電話級ができたときは、国際的にノーコード
 ライセンスは認めないという規定があったのですが、
 資格の最高送信電力を10Wとし、10Wなら海外に飛ばないので
 国際的な基準に従う必要なしと理屈をつけて作り上げた資格でした。
 もちろんそのおかげで日本には従事者免許取得者が130万人
(だったと思う)にもなり、アマチュア無線の発展に寄与し
 無線機メーカもたっぷり潤いましたました。

 問題は10Wでも海外との交信は十分可能であるということです。
 もちろん電波は弱くしか飛びませんが、短波帯と呼ばれる周波数は
 電離層反射という現象で、気まぐれなに変化する電離層の機嫌が良く、
 アンテナやその立地条件(主にロケーション) が良ければ、薄暗い電球を
 灯すだけの電力で、地球の裏側にまでも電波が飛ぶこともあります。

 電波が海外まで飛ぶことが分かれば、もっとよく飛ばしたいと思うのが
 ごく普通の人情ですよね。
 上級の資格を取得してパワーアップすれば問題ないのですが、
 その当時は販売店が4級の資格者に対しても、100Wの無線機を売ることに
 なんのお咎めもない時代でした。
 500Wや1KWのアンプもしかりです。
 1級アマチュア無線技士(1アマ)は現在1kWまでの出力がOKですが、
 当時は最高500Wでした。
 10Wの資格しか持っていないのに違法のパワーアップで、強力な
 電波を発射する日本人を、海外の局は「ジャパニーズテンワット」と
 揶揄しましたが、残念なことに未だにジャパニーズテンワットや
 ジャパニーズフィフティワットが存在するようであります。。。
 ま、1アマだけど「ジャパニーズテンキロワット」ってのも存在
 するようですけどね。(大笑い
 
 話は逸れましたが、海外まで電波が飛ばないという建前で作られた資格で、
 海外との交信を行う是非はどぉなんでしょう。
 拙生は特別な場合で除かれなくてはいけない「非」だと考えます。
 
 最近はプロを含めた電信の衰退から、国際的にもノーコドライセンスを
 容認する動きが目立ちますが、日本に置いて4アマの海外交信を認めるなら
 10Wではなく3アマと同じ50W程度は認めるべきです。
 だって10Wじゃ海外に飛ばないんですよね?(w

 
不特定局との偶然の出会い

 アマチュア無線というと「CQ」と思い浮かべる方が多いようです。
 特定の局ではなく不特定の「各局」を呼び出すCQは業務でもありますが、
 船舶無線などに関わっった方でなければあまり聞かないでしょう。

 その点アマチュア無線は「CQ」をよく使います。
 法規的な是非は別途語るとして、海外との交信を望んでいる場合に
 国内から呼ばれないために「CQDX」とか、ヨーロッパとは交信
 し飽きたので、「CQアフリカ」などという呼出もよく聞きます。
 (DXはディスタンスつまり遠距離≒海外のこと)

 もちろん特定の局を呼び出す場合もありますが、
 CQを出すことで未知の相手方から応答が返ってきたり、
 逆にCQを出す局を見つけ応答する。
 アマチュア無線の交信スタイルは山ほどありますが、拙生は
 不安定な電離層反射のご機嫌(コンディション)や国によっては 
 時差の違いを乗り越えたこの偶然の出会いが大好きです。
 

 
システム構築と自作

 無線には交信というソフト部分と、無線設備の構築という
 ハードな部分があります。
 
 業務では完全なシステム構築が要求されますが、アマチュアに於ける
 自作という分野では、自己責任の範囲であれば結構やんちゃなことや
 確立されていない技術のお試しなど、いろいろ遊ぶことができます。

 
 もともと無線はアマチュアが先発隊であり、最初発見された
 電波という存在の利用価値が高いと分かった時は、その時に
 使っていた長波という低い周波数からアマチュア無線家は
 短波という比較的高い周波数に追いやられました。
 その短波で電離層反射という現象を見つけ、遠距離通信が
 可能であることを実証したのもアマチュア無線なのです。

 今やインターネットや衛星通信を駆使して、中継を重ねれば
 世界中のどことでも安定した通信が可能でありますが、
 中継を全くせずに遠距離とのコミュニケーションが可能な
 短波通信は、長い間遠距離通信方式の頂点を維持していました。

 もちろん現在においても短波は有用な通信方式であることは
 間違いなく、洋上航空無線や船舶無線、そして軍用のも使われるほか
 自国を離れている人などのための短波放送や非常通信など、
 またほかの通信手段のバックアップとして、短波は生き続けるのでしょう。

 上記のような経緯から短波帯においてアマチュア無線は優遇されています。
 短波帯は実に10個(非常通信周波数を含まず)もの周波数帯(バンド)を
 いただいており、機嫌がコロコロ変わる電離層もどこかのバンドでは
 調子がよいので、バンドを選べば年中遠距離通信が楽しめます。

 
 現在は無線機もアンテナもいくつかのメーカーが存在し、言葉は悪いけど
 全部金で解決できる世界となりましたが、拙生がアマチュア無線局を
 目指した若かりしころは、メーカも少なく高価なものでしたので、
 必然的に自作という選択になりました。
 もともとラジオ作りがきっかけでアマチュア無線を知ったので
 いまだに交信よりも作ったり壊したりの方が好きなんですね。

 近くにあった廃品回収業者(通称ザッピン屋さん)が同学年の
 顔見知りの父上だったこともあり、格安で真空管式テレビを
 譲っていただいて、偏向コイルに残った電圧に感電しながら
 バラシて部品取をしました。
 最初に作ったのはアメのの空き缶をシャーシ代わりにして
 ほとんどの部品をTVから取った4球のラジオでした。

 アマチュア無線の開局も自作の送受信機で、実に簡単な
 ものから始めました。
 短波ではなかったものの屋根に引っかけたような簡単な
 アンテナでも九州や関東と交信できて感激したことを
 覚えています。

 そんな拙生ではありましたが、一時ほかの趣味に没頭したため、
 アマチュア無線は一時お休み。
 オーディオのアンプ作りの部品購入の際にアマチュア無線の
 コーナーでTS-120Vというそれまではなかった小型短波帯線機を
 ラジオ代わりとして気まぐれで購入したことにより、1979年に
 再開することにしました。

 実は再開するつもりはなかったのですが、簡単なアンテナで
 聞いてみると電離層の機嫌も良く、国内はバリバリ、海外から
 らしい電波も結構な勢いで入っています。
 
 聞こえれば電波を出したくなるもので、昔取った杵柄で
 モールス符号によるCQを出したところ、いきなりアメリカから
 呼ばれました。
 10Wに屋根にへばりついたアンテナでです。。。
 それから50Wへのパワーアップ・大型アンテナへ
 エスカレートするのに半年もかかりませんでした。
  
 現在は無線機もデジタル化された部分も多く多機能になり、
 送信機や受信機で同等のものを作ることはかなり困難に
 なってきています。

 アマチュア無線で自作しているのは主にリニアアンプや
 アンテナ、周辺機器にとどまっています。
 リニアアンプというのは例えば100Wの送信出力を1000W
 (1KW)ニパワーアップするアンプのことです。
 アンテナはテレビアンテナのお化けみたいなでかいやつ。
 周辺機器は受信の際に聞きやすくなるような自分の耳に
 合わせたフィルターやアンプ、機械ではないけど
 交信した後に交換するQSLカード(交信証明書)も自作
 しております。

 このカテゴリではそんな自作経験で必要だった知識など、
 無線に関するちょっとしたTipsを含め備忘録として残します。
 

 

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