MMANAで遊ぶ

MMANAとは・・・アンテナのシミュレーションソフトです。
八木宇田アンテナに関しては、自前の計算式でかなり
再現性の高いアンテナ製作が可能になりましたが、
今回遊んだのはキュビカルクワッド(CQ)です。

自前のものもMMANAも、モーメント法で解析する仕組みは同じなのですが、
八木宇田アンテナみたいにエレメントが直線的なものと違い、通常CQは
正方形のループなので、直角に折れた所にパルスを集中させて計算させないと、
再現性に乏しいと予測されます。
で、その辺の機能も加えればよいのでしょうが、ないものは時間・・・
いや、スキルです。(笑
優秀なオープンソースで落ちているものはBASICですので、
そのままではちょっと・・
そこでC++に移植してあるMMANAを使ってみました。
この解析ソフトは、自前の計算の後の検証用として、数年前から使っています。
計算値どおりに作ってみたことはありますが、最適化のみでは
傾向がわかるものの、最適値(最良値=意図した値)がでず、最終的に手動で
微調整しなくてはなりませんでした。
で、経験値を補正値として加味した自前のもののほうが再現性が高いので、
大きなミスがないか、MMANAで計算させて確認しています。
その計算結果はほぼ同じ値が出てくるので、最良値以外が選択されている
だけということで、最適化の機能だけに頼っていると、最良値を
見逃すことになります。

で、計算させたのは24-18MHz6エレメントデュアルバンダーです。
最適化機能⇒最適化結果からお気に入りを選択⇒手動により微調整
の繰り返しで、暇なときにチョコチョコ計算すること1ヶ月以上。
簡単にヒョイと出した結果ではありませぬ。。。(笑

ゲイン重視した八木宇田アンテナの6エレと同等またはそれ以上でしょうか。
18-24MHzデュアルバンダー

いつもの八木宇田アンテナと同じく、50オーム入力です。
(ワンフィード給電するつもりはないのでバラン直結となる。)
18MHzswr特性

FB比が設定(中心)周波数で最大になってますが、
これってなかなか難しいのですよ。(笑
18MHzゲインFB比

パターンは・・・こんなもんでしょ。
18MHzパターン

波長的には18MHzよりワイドであるにも関わらず、バンドエッジで1.2程度です。
(ゲインとFB比をちょっと犠牲にすると、バンドエッジで1.1以内に収まります。)
24MHzswr特性

18MHzより1dBほどゲインがあることになってます。
ワイドスペーシング+ゲイン重視で計算させた結果です。
24MHzゲインFB比

パターンは・・・こいつもこんなもんでしょ。
24MHzパターン

昔書籍などでよく見た2.5mスペーシングの14/21/28エレメント
4エレCQ(7.5mブーム)ですが、実際に作ってみるとそこそこ飛ぶものの、
14MHzでは5エレメント八木宇田アンテナと同等程度であり、
28MHzにおいては、7~8エレメント八木宇田アンテナと、十分対抗できた
という経験がありますので、CQはQが低いので、エレメント数を
5エレメント以上に増やしたり、スペーシングを広げても、さほど
ゲインは上がらないという定説には大きな疑問を持っていました。
4エレメントを調整している際に、パラスティックエレメントを
数ミリ切り詰めただけで、FB比やZなどがかなり変わることを確認してましたし、
第1ディレクタより第2ディレクタの調整のほうが、影響が大きかったり。。。
エレメント単体のQは低くても、エレメント相互の結合度(?)はかなりのもの
という感触がありました。

上記のブーム長は、標準的な6エレメント18MHz八木宇田アンテナと
同等程度での解析結果です。(スペーシングはかなり違う)

さて、八木宇田アンテナのシミュレーションよりは、再現性が
間違いなく低いでしょう。
シミュレーションソフトの精度とかではなく、実際に施工する際に
コーナの処理方法などの不確定要素により、共振点にずれが
生じることは容易に想像付きます。
製作するとしたら、まずはスプレッダーやコーナー処理法を
実際に使用するもので単体のループ製作し、その解析値と
実測値により、補正値を算出して加味しなくてはいけないでしょう。
この補正値のみを引き出してしまえば鬼に金棒!?・・・たぶん・・・

この計算結果は、うまく調整するとここまでのスペックが引き出せるという、
たいへん有用な指針となり、優秀な解析ソフトを無償で提供していただいている
JE3HHT 森氏に感謝いたします。

で、実際に作るのかって?・・・・秘密です。(w
作らないまでも、オプティマイゼーションの過程で知りえた傾向は、
必ずテキスト化して保存しておきますので、まさに拙生の仕事に
役立つものであります。

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