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CW受信改善計画

クラブ局のロケーションは周囲が5階建て程度の団地や
住宅に囲まれてはいるのですが、アンテナの設置場所は
学校のグランドや隣接している公園に囲まれていて、
100m以内にあるのは、市の施設であるポンプ場しかありません。
更に小高いところの中心にありにあり、特にショートパス(SP)の
ヨーロッパ(EU)の北西方向には公園の平地が200mほど続き、
その向こうは徐々に下っている一般住宅街なので高い建物もありません。
比較的よろしくない南側(団地密集地)も思ったほど飛びは悪くありません。

が、しかし・・・やはり住宅街です。
アンテナの方向によってはかなりのノイズが出ています。
一番ノイズが多いのは南西(国内方向)で、明らかな都市ノイズです。
SPのEUではそれほどではないのですが、弱い信号の時はちょいと
苦労するときがあります。

高級機ならノイズから逃れて、もうちょっと楽に受信できるのかも
しれませんが、学校の無線機はIC-7410M。
フィルター特性はなどに特に不満はないのですが、現状では1stフィルターは
15KHzのままで、すり抜けてくるトータルノイズが多いせいか、ノイズは
ブランカー(NB)とリダクション(NR)を活躍させなくてはならない状態です。

オプションの3KHz帯域1stフィルターを入れれば改善される気もしますが、
1月ほど前にジャンクボックスを引っ掻き回していたら、CWフィルターに
使えそうなチョークコイルが4個出てきたので、とりあえずパッシブルな
フィルターを試してみるつもりでした。

ところが数日前、更に奥のほうにしまってあった箱を開けてみると、
4558(オペアンプ)を6個見つけました。
以前こいつで作ったオーディオピークフィルター(APF)が結構優秀だったことを
思い出したので、気が変わってアクティブなフィルターにしてみます。

なぜ気が変わったのかというと・・・簡単だからです。
CR(コンデンサーと抵抗)の組み合わせで、中心周波数や選択度などが
簡単に設定でき、しかもQを欲張らなければ(選択度を上げすぎなければ)
中心周波数を可変することも容易で、可変することによるCRの組み合わせの
バランスが若干崩れても特性劣化は気になるほどではありません。
アクティブと言ってもゲインを1とすれば、S/Nは全く問題ありません。
またコイルを使ったフィルターのように、周囲からの磁気的な影響への
配慮が必要なくなります。

ついでに見つけたのが一枚の基板に2個のっけたLM380のAFパワーアンプです。
これは以前手持ちのスピーカをPC用として使うのに作ったものです。
APFに使う4558はオペアンプが2個入っていますので、APFに1個使っても
もう1個余りますが、残念ながらスピーカを鳴らすほどのパワーは
ありませので、ちょうどLM380の基板が使えそうです。
ただし多少は音質に拘ったので、発振寸前までNFBを掛けていたはずで、
若干の改造は必要かもしれません。
(㊙ 実はLM380でも気を使って作れば馬鹿にできない音質です!)

じゃあチョークコイルは再びお蔵入り?
ここでふっと思ったのがCWのステレオ受信。
オーディオのハイパスフィルター(HPF)とローパスフィルター
(LPF)で高い音と低い音を分離し、ステレオで聞くと混信(QRM)
を受けていても聞きやすいってやつです。
(RFのデュープレクサーの仕組みと一緒。例えば144と430の分離)
勿論ゼロインしている信号は分離できませんけどね。
このHPF・LPFに使えばいいじゃんって、構想はどんどん膨らみます。。。

以前試作したものは確かにQRMの信号と目的信号が若干でも左右に
分離してくれたため、かなり聞きやすくなり、さらにQRM側のアンプの
ゲインを絞ると効果が倍増しました。
嬉しいことにおまけつきグリコで、こいつはQRMだけでなく、ノイズも
若干軽減してくれました。
ということで、APFとパワーアンプの間に突っ込んでやったらどぉなんでしょ?
なんて考えているのですが・・

ケースやボリューム・CR、ジャックやスイッチ類、電源に使うアダプター等々、
すべて手持ちでできそうです。
で、すでにCRの組み合わせの計算は終了しております。
あまり欲張ってエコーを引いた信号を聞く羽目にならぬよう、AFPのQは7程度、
ゲインは1です。
ステレオ受信用のアナログフィルターは軽く分離してくれればよいので
共振周波数だけ計算していますが、大雑把な暗算でQは3くらいでしょう。

成功したら回路図付製作記事として投稿しましょ。

【 CR組み合わせによるLPF・HPF 】
        
         

先日の投稿を読み返すと、OPアンプによるCR組み合わせ
APFにした理由の中に、周囲からの磁気的な影響への
配慮が不要。と書いたのに、LPF・HPFでコイルを使う・・・
みたいなことを書いてしまってました。
けしからん!とご指摘を受けそうなので先手を打って言い訳を。(w

電源トランスなど磁界を発生させる物を近くに
置かなければよいだけなので、APFをCRの組み合わせ
にした理由は、単に簡単だからとしておけばよかったと
反省しております。
あまり深く考えずに述べた構想なのでご勘弁を。

と書くだけでは能がないのでLPF・HPFの追記を・・・

APFだけではなくLPF・HPFもCRの組み合わせで可能です。
Lの代わりにRを使うだけです。
ハイパスフィルターを考えると入力をCとRシリーズで受け、
Rのみから出力しますが、電力が半分に減衰(-3dB)する
条件はXC=Rであります。
(電圧は1/SQR2 電力=電圧*電流なので(1/SQR2)^2で1/2となる。
 電圧比でも1/SQR2は-3dBである)

カットオフ周波数fcは
fc=1/(2πRC) (RCは時定数でカットオフ周波数に逆比例)

hpfハイパスフィルタ lpfローパスフィルタ

オペアンプなどの入力回路におけるカプリングCと
バイアス用抵抗の組み合わせはまさにHPFですね。
例えば-3dBを1KHzにしたいとき、バイアス用の
合成抵抗が5KΩなら、XC=1/(2πfc)より、
C=1/(2πfXC)=1/(2π*1*10^3*5*10^3)になるので
0.031847μFと簡単に計算できます。
合成抵抗と書いたのはオペアンプの場合入力に対し
電源は抵抗値がゼロなので、電源からぶら下がる抵抗と、
コモンに落ちる抵抗はパラレルであるとするからです。

オペアンプ入力回路例

op

オペアンプとの絡みもあるので、わざわざ兼用させなくとも
別途組めばよいのですが、なぜわざわざ書いたかというと、
せっかくLPFを組んでも、その後のカプリングCやバイアス用
抵抗の組み合わせで、通過させた低音を減衰させてしまう
可能性もありうるからで、手持ちにあるからとカプリングCを
小さな値にしないようにしましょう。

これはLM380などの出力側のカプリングCも同様で、拙生は
LPF側のアンプには1000μF程度(低音伸びすぎか?)を考えています。
HPF側は逆に低音を切りたいので、100μF程度が妥当かと思います。

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上記に書いてあることがよくわからない方へ

インダクタ(コイル)は周波数が高くなると抵抗値増。
キャパシタ(コンデンサ)は周波数が低くなると抵抗値増。
抵抗は低周波においては周波数特性はほぼフラットです。

HPF
入力側にキャパシタを直列に入れると、低い周波数は減衰し
高い周波数をよく通過させます。
インダクタを入力と並列に入れると、すり抜けてきた
低い周波数をコモンに流し、入力分を減衰させます。
LCの共振周波数においてはXL=XCで-3dBとなります。

LPF
インダクタを直列に入れると高い周波数が減衰します。
キャパシタを並列に入れると、すり抜けてきた高い
周波数をコモンにバイパスし、入力分を減衰させます。
LCの共振周波数においてはXL=XCで-3dBとなります。

CRの組み合わせ
インダクタの代わりの抵抗には周波数による減衰能力はなく
入力電力を分割するだけですので、すべてキャパシタに
依存されるため、LCのフィルターよりは特性は劣ります。
特性の劣る分は多段にすることなどで補います。
R=XCで-3dBとなります。

てな感じでしょうか。

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こんなんじゃ物足りなねぇ!って言う上級の方

バターワースフィルタ2次の傾斜は -12dB/octav・・・とか
IIRとはなんぞや?とか、はたまた
f=(1/2πT)cos^-1((2-2r-r^2)/2(1-r))なんてのは、
拙生ではなかなか説明できないので・・・
というか、その道のプロの方に説明の必要はないでしょう。

最後に

LCによるフィルターは電力消費がないと思いがちですが、
チップタイプのインダクタなどは、直列等価抵抗(ESR)数Ωオーダーを
見越しておかなくてはいけません。
キャパシタにおいてもESRは存在し、種類や容量によって異なりますが、
大容量電解コンデンサも0.5~数Ωあるので、電力消費は起こります。
シビアな回路への使用には十分注意します。
(一番簡単な対策例:パラレル接続にして合成ESRを下げる。)

時折アンペアオーダーのところにチップインダクタの使用を見かけますが、
ERS3Ωに1A流せば3Vドロップするけどリードタイプでなくて大丈夫かなぁ・・・
なんて他人事ながらつい心配してしまう優しい大場窮策であります。。。(大笑い

* 拙生が若かりし頃から裏付けもなく思い込んでいる部分が多々あり、
  大いなる勘違い投稿になっているかもしれませんので悪しからず。

【 HPF・LPFの回路@CW受信フィルタ用 】

なんかOPアンプのことばかりになっちゃいましたね。

今度使おうとしているHPF・LPFの回路です。

HPF-LPF
(8ピン-VCC 4ピン-グランドは省略)

・定数の決定 Cを0.032μFとすると、
 カットオフ周波数に必要なRは以下のようになります。
 
 800Hz ⇒ 6.217kΩ
 750Hz ⇒ 6.631kΩ
 700Hz ⇒ 7.105kΩ

 E24系列の抵抗を使用するなら、6.2・6.8・7.5Ωあたりから
 選択しますが、そんなに急峻な特性ではないので、拙生なら
 6.8Ωあたりを使うでしょう。ただし24系列は最大5%誤差なので
 揃ったものを選んで使うと良いでしょう。
 そんな適当なことは絶対許せない!という厳格な性格を
 お持ちのかたは、E96系列やE192系列で1%以下の誤差のものを
 お使いください。

 余談ですがE24系列だと5%誤差が被るようになってて、1桁に
 24種類の数字が必要になるというわけです。
 0.5%誤差のE192系列は1桁に192種類の数字があるのですから、
 かなり細かく分かれていて、ほぼドンピシャの値が見つかります。
 拙生は手持ちから最大1%誤差のE96系列を使います。

 オペアンプのゲイン(電圧増幅度 Av)を欲張ってはいけません。
 1(増幅しない)でも良いのですが、一応増幅可能なように
 RfとRsをつけてます。
 なぜそうなるかは端折って結論だけ書いておきますが、
  
   Av=1+Rf/Rs

 となるので、例えばRf・Rsともに10KΩだとしたら、Avは2です。
 Rfが10KΩでRsが20KΩならAvは1.5。
 AV=1とするには、RfがゼロかRsが∞であればよいことがわかります。
 
 ・出力インピーダンスがゼロ(に近い)
 ・入力インピーダンスが∞(に近い)
 ・裸電圧利得が無限大(ではないが相当ある)
 ・周波数帯域がゼロ(直流)から∞(ではないが相当広帯域)
 ・入力オフセット電圧がゼロ
 ・入力バイアス電流がゼロ  
 
 という特性を持つオペアンプだからこそなせる業です。 

このLPFとHPF特性のOPアンプをシリーズに稼働させると、
バンドパス特性を持つことになり、これでも十分威力を発揮します。
LPF出力とHPF出力をステレオ化するなら入力を分割して別途に
使用します。

デバイスは4558です。
なぜなら・・・安い!これが一番の理由です。
A月電子通販でNJM4558DDが8個で200円!
2個しか使っていなかったので6個残ってました。
音にこだわる方にとっては高域が多少なまるとかで、
HiFiアンプに使われるのは、もっと優れたものなのでしょうが、
CW受信用のフィルターでHiFiの必要性はありません。
汎用品でもローノイズ・高裸ゲイン・動作温度や周波数の
範囲などは、十分すぎるほどのスペックであり、電源電圧も
4~18Vと使いやすいこともあります。
というか、他のOPアンプもだいたい一緒なんですよね。
ですからJRCなら2068や3414等、大体のものは使えます。

工作上の注意点は自分の電波でアンプIを起こさないこと。(笑)
受信機のヘッドフォン端子などから信号を取り出す際に、
コモンフィルタをお忘れなく。
また低周波的にはグランドループを断ち切らないと、不要信号
(ハム等)を拾いかねないので、フレーム(金属ケース)には
0.01μFくらいのキャパシタで高周波的に落としておき、低周波の
グランドと分離させておきます。
入力のジャックや基板上のコモンを直流的に金属ケースから浮かします。
回路のグランドは基板上なので、フレームから浮かすのは容易ですが
入力ジャックはベーク版などで浮かす必要があります。
ケースを非金属とし、必要な分だけアルミテープなどで内側を
シールドするのも手ですね。

他はOPアンプの持つ広帯域や高利得という特性を逆にぶっ殺して
使うのですから、広帯域を保ち高利得時に発振しないように
位相余裕をどうちゃら・・・等の気遣いはまったく無用です。

一般的な注意としては、OPアンプはDCも出力するので、物によっては
カプリングCをつけ忘れたまま(またはショート状態で)ヘッドフォン
等を繋ぎ込むと、壊してしまう恐れがあります。

ノイズをかき分けて微弱な信号を篩いにかける方法として
究極と思われるのがロックインアンプです。
拙生は既製品を某研究室で拝んだことしかありませんが、
確か50万円弱くらいと聞きました。
基準参照信号の周波数を固定し、かつ不要な機能をそぎ落として自作すると、
キモとなるのは乗算用ICですが、調べるとLMC567なら1000円もしませんし、
AD734やAD835でも2千円程度で入手できるので、他の部品を入れても
数千円でできる?と思われます。(本当か?)

究極と言いつつなぜ作ったことがないのかというと、基準参照信号の
デューティや位相をシビアに調整する必要があるらしく、その昔
ノイズリダクションなど位相合わせにシビアな他の回路の自作に
ことごとく失敗したトラウマがあるからです・・・

ロックインアンプの基本は、トーンジェネレータで
取り出したい周波数成分(基準参照信号)を生成し、
トーンデコーダでロックインレンジ(基準参照信号と位相が同期)の
信号が検出された場合にのみONにして出力します。
そのON・OFFで生成したトーンをスピーカで鳴らしたり、
LEDを点灯させることができます。
またPCなど外部へ信号を送る必要があるときは、ノイズや
アイソレーションをを考慮し、フォトカプラを介してやります。

今のところこいつに手を掛ける気はありませんが、APFやLPF・HPF、
その組み合わせによるステレオ化などを試して余力があれば・・・
いやいや、たぶんやらないでしょう。。。

最近新しい情報に全く疎いのですが、気付かないだけでもう導入されている
無線機があるのかもしれませんね。

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