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ツェナーダイオード

ツェナーダイオードが、リニアアンプのカテゴリに
入るのか迷いましたが、リニアアンプにまつわる
余談を含めて、ここでよし!ということで。。。

■ ツェナーDiは立派なノイズ発生器である

ツェナーDiの原理を理解していている方は
よくご存じだと思いますが、波形を観測すると
かなり強力なノイズが高帯域に渡って出ています。
弱い信号がノイズで聞こえなくなったというローカル局の
依頼で調べたところ、犯人はSG電圧の安定化用にと
奮発した、高価な高電圧大容量のツェナーDiでした。、

ツェナーDiがノイズを発生する理由

1 印可電圧がツェナー電圧より高い
2 ツェナーDiがON
3 電流が流れ負荷電圧がツェナー電圧まで電圧降下
4 ツェナー電圧まで下がると電流ゼロつまりOFF
5 印可電圧上昇
6 1~5を高速で繰り返し

ようはスイッチ動作で、電圧はほぼ安定するものの、
ノイズを発生する成分が出力されてしまうことは、
ツェナーDiの宿命なんです。

波形観測においては、ツェナー電圧を境界にした凌ぎ合い?を
見ることになり、その細かなのこぎりの刃ようなギザギザは
まさにノイズそのものです。
ノイズの波形が一定とならないのは、Diの特性自体および外的
環境の時間的変化で、その都度ツェナー電圧が変化するからです。
したがってノイズは広域に発生することになります。
ツェナーDiにパラに入っている0.001μFなどのセラコンなどは、
ノイズ除去のためです。
ただし大容量のものがパラってあるのは、更なる電圧安定の
ためですが、これは電源電圧が直に印可されているためで、
定電流回路と組み合わせるなどして、アイソレーションを確保し
逃げるのがベターです。

ツェナーDiノイズ対策
・パラに0.001~0.1μF等をパラレル接続
・ツェナー電圧が高いほどノイズが大きくなる傾向があるため、
 ツェナー電圧の低いDiをシリーズに使う。
・電流を流したほうがノイズが少ないので、電流制限用抵抗値を
 調整することで、耐電力マージンとの折り合いをつける。
 (ノイズが許容できるところまで、電流を流す。)

ローカル局の場合は、低電圧のツェナーDiで定電流回路を組み、
高耐圧トランジスタダーリントン接続でシャントレギュレータを
作って交換することで納まりました。

長~い余談

4極管SG電圧については、さまざまな考え方があるようです。
イニシエの球はダイナトロン特性が大きな問題となっていましたが、
最近の球はかなりの改善がみられます。
ビーム管は構造的にプレートからの2次電子放射の影響が
少ない位置に配置すること、CGとのメッシュの目を合わせ、
電子流を集中させることで逃げていてるのですが、最近の
4極管はビーム管同様、メッシュの目を合わせることで
集中した電子流により、2次電子放射を追い返して
いるような感じですね。
しかし改善されているといっても、カソードと同電位の
電極がプレート傍になく、5極管やビーム管よりは
ネガティブ領域(=ダイナトロン特性)に入りやすいので、
なにがしかの対策が必要です。

ネガティブ領域になると、Isgの逆流しEsgの上昇という現象が起きます。
Esg安定化のために懐かしいスタビライザー管VR150とVR105をそれぞれ
2本ずつシリーズにして、510Vにした製作例を目撃しましたが、
そんなに電流が流せないので、案の定逆流のためと思われる
電圧上昇による過電流により、次に見せていただいた時には、
まったく放電しない(光らない)状態になっていました。(笑

現在は高耐圧のTRやFETが多く存在し、安価で出回っています。
これでシリーズレギュレータを組む例が、メーカ性や自作例に
散見できますが、別途に考慮しないと、シリーズレギュレータ
では、逆流による電圧上昇を吸収する術はありません。
シリーズレギュレーターは、逆流対策を施したものを
使用することが必須
となります。
気をつけなくてはいけないのは、逆流対策と言っても、本質を
突いているものと、逆流に対するレギュレータ自身の保護のみが
目的の回路
だったりして、本質と異なる対策と言えるものも
散見できることです。
特に自身のみの保護回路が働くと、SGに電圧が加わらず、
浮いた状態になるようなものはNGで、電子流レベルで考えると、
SGの電位が徐々に上昇し、Ipラッシュの可能性すらでてきます。

ではシャントレギュレータではどぉでしょう。
VR150程度のものではNGだったことは前述したとおりですが、
もちろん電圧上昇分に耐えられる作りであれば吸収できます。
それが単純なツェナーDiによるものであっても、TRやFETで
ブーストしたものでもOKですが、高耐圧のツェナーDi1発は
高価なことと、ノイズの点であまりお勧めできません。

お勧め

まずはSG電源の低インピーダンス化を図ります。
ようは、ブリードする電流を多めにとる=ブリーダー用
抵抗値を小さくするということです。
例えばEsg500VでIsg10mAの球には、SGの直近で20KΩ程度の
ブリーダー抵抗をぶら下げて、常に25mA流しておきます。
逆流で電圧上昇が起きた時、このブリーダー抵抗が効きます。
12.5W常時熱になっているので、最近は電力消費(エコ)の観点で、
敬遠される方も多いようですが、12.5Wを無駄にすることで、
実に簡単で失敗のない確実な安心を得られることになります。
ちょっと乱暴な言い方をすると、KW出すのに12.5Wが
なんぼのもんじゃ!
ってのが拙生流です。

上記の例は7F71RFの例で、この球は4極管といっても
ちょっと特殊かもです。
というのは、完成したアンプで確かめたところ、
Esgは300V以上かかっていれば、400Vでも500Vでも
さほど代わり映えなく稼働してくれます。
また、Isgがあまり流れないことから、CGとメッシュの目を
合わせているだけでなく、もしかしたら目が荒い?
また、Cp-g2が13.5pFに比較してCg1-g2が95pFなので、
SGはCGの近くに位置し、プレートから離れている構造のようです。

7F71R(F)の実際のIsgは5~6mA程度しか流れませんでした。
またダイナトロンも、上記の対策で発生しませんでしたが、
その程度の対策では結構な逆流が発生する球もあります。
そんなときはもっと多めにブリードするか、吸収可能な
デバイスを用いたシャントレギュレータをお薦めします。

5F23Ax2で遊んでいたこれまたイニシエの話ですが、
Ecgを可変してIpのデータを取っていた時、タップダウンで
Epを下げてバイアスをカットオフから少しずつ変更し
Ipを流し始めたら、その流れ方に不穏な動きがあり、
Esgを見ると(その時点でIsgは見れなかった。)電圧が
通常時よりちょっと高い。
次にエキサイタからRFを入力し、徐々にパワーを上げてゆくと
SWR無限大。。。つまりダイナトロンによる発振ということですね。
ではEpを高くすれば、ダイナトロンは収まるはず
思い切って高圧トランスのタップを上げてやると、多少
不安定動作でしたが、見事に止まるんですね。
もちろん不安定さは、ほかの要素もあったのかもしれませんが、
派手な発振を初めて経験しました。
(後日、昔のガラス球(4-1000A等)は、できる限りEpをあげて、
Esgとの差を大きくとらなくてはならないものと悟りました。)

Esgを下げてやれば、大きなスイングが可能になるのですが、
トランスを取り換えるのが面倒だったので500Vは変更
しませんでしたが、RFデッキ内の25KΩブリーダーに加えて、
トランスに余裕があったので、電源側の出力にさらに25KΩを
ぶら下げてみたら(RFデッキ内は面倒だったので)、Epを
下げた状態でも、発振はあっけなく止まってくれました。
安定動作を得るための20Wの電力消費が、非エコ行為なのか、
必要だと考えるかは、各人の意見が分かれるところでしょう。

ダイナトロン特性についてもう一つだけ。
解説した記述の中で気になるのは、Ep-epがEsgに近く(または
それ以下)になった時に、熱電子流がSGに流れ込み・・・
というような見方ができるものがあることです。
ダイナトロン特性は、あくまでプレートからの2次電子放射が
SGに飛びついて起きる現象であり、熱電子による1次電子放射が
流れ込むものではありません。
1放射次電子が最初からIsgとして流れた場合、Ipはあの
ダイナトロン特性特有のカーブを描くことはないと思います。

本題に戻ります。

■ ツェナー・ブレークダウンは負の温度特性
  アバランシェ・ブレークダウンは正の温度特性

リニアアンプに使うような大型のツェナーDiは、ほぼ
アバランシェ効果が支配的となるので、正の温度特性です。
きちっとした温度管理をしなければ、知らないうちに電圧が
上がっている
なんてこともあり得ます。

ツェナー・ブレークダウンを起こすトンネル効果が
支配的なのは低電圧用であり、両者の特性がバランス
することで、温度特性がきわめて優秀なのが、5Vあたりの
ツェナーDi
であることは有名ですね。

またまた長~い余談

以前製作したアンプで、バイアスとIpの関係を直流のみで
データを取っていた時、アイドリング設定バイアスが
およそ-54Vでした。
偶然5.3V(5.1Vと表示してありましたが、実測で5.3Vでした)1Wの
ツェナーDiが特価で、20本100円(@5円)を買ってあったので、
10シリーズ-53Vで使用してみました。
なるべく大きな電流を流した方がノイズの軽減になります。
5.3V1Wだと188mAですから、100mAは流せるでしょうが、
余裕を持たせるために実験的に電流制限を多めにしてゆき、
ノイズが出ていないことを確認しながら、結局40mA程度に
なるようにしました。
これ以下にしてノイズが発生するかは確認していませんが、
簡易的な温度特性は試してみました。
試しにドライヤーで吹いてみたり、ダストブロアで冷却して
みましたが、気になるような電圧変化はありませんでした。
これは、24Vやそれ以上のツェナーDiでは考えられません。
その時一緒に買った100本65円の抵抗と、100本200円の
セラミックコンがパラに接続されましたが、合計76.5円!
オーバードライブでIcgを流すなんてことは努々ないので、
超簡単&万能基板に10シリーズは決してスマートじゃ
ありませんが、不格好なのは全く平気ですし、なにより
超安上りには勝てません。w
ただしこのアンプは、後にAB2級領域までスイングする
実験のためにEp・Esgともに変更したため、バイアス回路も
連続可変のシャントレギュレータに組み直しました。

ちなみに、Ep・Esgが低下したとき、Ecgも低下して、
バイアスが浅くなったほうが良いと言う方もいますが、
通常のレギュレーションが確保できていれば、リニアリティに
目立った悪化は見られません。
通常のレギュレーションとは、Esgが5%以内・Epが!0%程度の
低下ということで、余裕のないトランスで無理っくり
パワーを引き出そうとする場合は、この限りではありません。

上述のように拙生は、5~60V程度のバイアスなら、ノイズが
少なく、温度特性の良い5V程度のものを10~12シリーズと
平気で並べちゃいます。
事前段階で5Vずつバイアスをスライドさせて、直流的にIpの
変化を調べることもできます。
実際この程度のステップで、アイドリング決定に不自由した
こともありません。

長~い余談の後の結論(めいたもの)

どぉしてもハイボルトのツェナーDiを使用される方は、
ノイズと温度管理の対策を怠らないようにすることです。

 
 









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