祝世界一@超長文

腰は完全復帰です。
が、本日は土曜日でした。@曜日感覚なし
で、本日と明日はテレワークに決定ということで。。。

富岳

ちょっと前のニュースですが・・・
日本のスーパーコンピュータ「富岳」が8年半ぶりに
TOP500の世界一に返り咲きましたね。@22日の発表
理化学研究所と富士通の共同開発だとか。
CPUの設計は富士通だそうですが、TSMCに製造を
依頼したそうで、日本がCPU製造から撤退状態なのは
寂しいですね。。。
TSMCは一般ユーザーにはインテルやサムスンのような
知名度はありませんが、AMDのCPUやNVIDIAのGPU、
APPLE社のCPUなどの製造を手がける台湾の会社で
世界3大CPUメーカのうちの1社でり、資本金25兆円
以上というとんでもない大企業であります。

富岳の凄さ

41.5京回/sec.の演算能力で、今までの世界一の
3倍近い能力があり、更にGPUアクセラレータを
使わないというコンセプトで、省エネにも注力し
すでに昨年の段階でGreen500の世界一にも輝いています。
物理的に大きく作り、電力を湯水のように使って
実現した最速世界一ではないのですね。@ナガレイシィ!

  参考 演算能力は415ペタFLOPSです。
     FLOPSは1秒間に浮動小数点演算を何回
     できるか、という能力を表します。
     (ペタは10^15)

すでに試運転の段階でコロナウイスル関連の計算を
していますが、今後も新薬の開発や・宇宙関係
・防災のシミュレーション・天気予報の確率アップ
などに大活躍してくれるでしょう。

すぐに抜かれる?

今回は2位を大きく引き離した世界一ではありますが、
この世界は莫大なお金がかかり、力技では米中に
敵わないので、残念ながら近々完成が予定されている
エクサスケールスパコンで逆転されるのは確実です。
エクサスケールは100京回のことですから、富岳の
41.5京回/sの演算能力に対し2倍以上ということですね。
(京は10^16、言い換えると1兆の1万倍です。)

コンピュータの将来

で、スゲー話だなぁなどと思いつつ、ボヤーっとですが
昨晩ベッドに潜り込んだ後、眠りにつくまで
コンピュータの将来について考えていました。

 決して頭は良くない

コンピュータは優れてると言っても、実際にやっていること
と言えば、0(またLowなど)か1(またはHighなど)かの
情報を得て足し算をしているだけです。
そして足し算ができれば掛け算もできます。
5×3=15を5+5+5=15、つまり5を3回足して計算する
というアルゴリズムを実践します。
決して頭が良いとは言えないんじゃないすか?w
実は、足し算ができれば掛け算も可能であるように、
足し算と掛け算ができれば何でも計算できる
アルゴリズムを作ることができちゃうんです。

これは基本我々が使うパソもサーバーもスパコンも
全く同じ原理であり、ただその計算速度がとんでもなく
早いので、いかにも複雑な計算をやっているふりをして
頭の良い子に見せ掛けているだけです。

 小さいほど良い

コンピュータ技術の進化は、まさにこのスピードであり、
効率の悪い計算手法をいかに早くやるかということに
特化して開発さています。
それは0と1というスイッチングを行うモジュールを
いかに小さく作り実装密度を高め、たくさんの
スイッチング動作を短時間で行い、多くの情報を
処理する技術がその一つです。

 論理ゲート

*以下は正論理・負論理や論理式は省いた概念のみです。
スイッチングはトランジスタのオンオフ動作が基本です。
トランジスタに入力を与えると1(オン)が出力され、
なければ0(オフ)が出力される。
更にこれを組み合わせて入力を2系統にし、入力が2つとも
1の場合にのみ出力が1で、他の組み合わせである0,0や
0,1、1,0の場合は0のようなものもできます。
これを論理ゲートと言い、この場合はANDという
論理ゲートで、もっと多系統の入力を持つ場合も
全ての入力が1でなければオンしません。@だからAND
ORの論理ゲートは全ての入力が0のときのみ出力も0と
なりますが、1系統でも1があると出力も1です。@だからOR

他にもどのような入力で出力がオンになるかで、XOR・NOR
・NANDという組み合わせができます。
ちょっと特殊に見えるのは論理否定という論理回路で
NOTゲートと呼ばれるものです。
こいつだけは基本、入力が1系統しかなく、0が入れば
1を出力、1が入れば0を出力と言った動作から、
論理反転回路とかインバータと呼ばれています。

話がそれそうなので戻しますが、この論理ゲートを
複数まとめたももを論理モジュールと言い、更に
それをまとめて集積化し、ワンチップとしたたものが
集積回路(IC)となるわけです。
高性能の集積回路は実装密度を極限まで高め、
ワンチップでいかに多くの情報を扱えるかが勝負です。

 CPU(GPU)は?

ではCPU(GPUも含む)はどぉでしょうか。
CPUの速度に大きな影響があり、一番分かり易いのは
クロック周波数でしょう。
例えばクロック周波数が4.5GHzであれば、1秒間に
45億のクロック処理が可能であると言うことです。
こちらも4.5GHzをロスなく扱うためには、極限まで
小さく作ることが要求されます。

例えばCPUなどのスペックにリソグラフィーってのが
ありますが、これはプロセスの微細度の単位で、
同じ大きさのCPUなら数値が小さいほど集積度が高く
高性能ということで、例えばInteli7-9700Kは14nmです。
14nmって髪の毛の太さの数千分の1というレベルで、
さらに7nmが当たり前になりつつあります。

 多いほどよい

それで間に合わなきゃ物量作戦で、演算素子をたくさん
並べ、並列処理することで高速演算を実現させます。
1個のCPUの中に、コアが4個とか8個入っていたり、
使用頻度の少ないコアを1つの処理に集中させるブースト
という手法が使われたりするのは、我々が使うパソでも
当たり前の技術になっています。
サーバーなどではそのCPUを複数並列処理することもあり、
富岳では実に48コアのCPUを15万8976個近並べています。
コア数にして763万848・・・・@笑うしかないです。。

もちろんCPUだけではなくチップセットとつなぐバスも
微細化が要求されます。
大きく作れば4.5GHzもの周波数では電波として飛び出して
ロスに繋がります。

限界

要は、なんでも小さく作ることがコンピュータを高速化
させる開発である、と換言することができます。
いくらでも小さく作れそうですが、実は限界が近いのです。

電子の流れをオンオフするためのスイッチを、あまりにも
微細化すると、電子の持つトンネル効果という現象で
オフしたつもりでも電子はすり抜けてしまいオフに
なってくれなくなるのです。
実際微細化がその領域に近づいており、限界が来たら
後は物量作戦で並列処理させるか、根本的なコンピュータ
原理を見直すしかなくなります。

(近い)未来のコンピュータ

エクサスケールコンピュータの時代に入れば
物量作戦も限界に近づくでしょう。
並列処理させるにも数が多いと、それらをつなぐ
バスの物理的距離によるロスがボトルネックになって、
増やした分だけの効率が上がらなくなって、著しく
コスパの悪いスパコンになってしまうからです。

では演算手法の根本的な原理に関する技術開発はどぉでしょう。
実はすでに量子力学理論を応用した量子コンピュータが
開発されて、そぉ遠くない未来に世に出てくるでしょう。
いよいよ(ちょっとだけ)頭の良い子が登場というわけです。

 理解不能

この量子力学ですが、はっきり言って簡単な入門書籍などを
読んでも、拙生の頭には理解不能の部分が多々あります。
量子力学が示す量子の振る舞いは、まるでマジックであり、
不可解極まりない現象がありますが、多くの実験で
証明された事実であり、更に量子コンピュータが実現されれば
不可解極まりないだの理解不能だなどと言ってられなく
なりますよね。^^;;

量子コンピュータ

量子コンピュータの分かっている部分だけ書きます。

現在のコンピュータでは、1ビットは0と1という2通り、
2ビットだと0と0、0と1、1と0、1と1という4通りを
表現できますが、4通りの解を同時に出すことはできず、
出すには4回の計算が必要です。
16ビットの表現は256回の計算になります。

量子コンピュータの原理となる量子力学において、
量子は粒子と磁場の混合であり、これを利用した
量子ビットでは高速な演算が可能ということなんです。
例えば16量子ビットだと、従来なら256回の計算が
たった1回で、256の表現を同時に出来ちゃうんですね。
超並列(字が正しいか不明)という原理で、高ビットで
あればあるほど処理能力が指数関数的に改善される
というように理解しております。

理屈は・・・前述の通り粗方理解不能です。
ただ先に述べたトンネル効果は量子力学によるもので、
一部は拙生も理解できている部分はあります。
量子が波の性質も持つことも利用されています。
確かに全ての物質には波の性質を持っていて、2つの波の
干渉で打ち消し合う部分では消えたように見えたり、
強め合う部分で出現するように見えたり・・・というのは
我々が伝送の効率を語るとき等にも出てくる原理なので、
これは理解できます。
ですから一見マジックに見えますが、3つの直線的に並べた
左端の容器から、ある条件下で粒子を右側に移動させた場合、
真ん中の容器には現れずに、いきなり右側に容器に移ったように
見えるのも理解できます。
粒子はトンネル効果で容器をすり抜けられますが、真ん中の
容器では波の干渉が打ち消す方向にあったので存在が
確認できず、まるでワープしたように右容器に現れる
ということですね。@やはりマジック?w

 これは駄目

しかし。。。拙生が理解し難いのは、量子ビットは
エンタングルメント(重ね合わせ)という原理で
1量子ビットで0も1も表現できますが、それが0なのか
1なのかは、観測したその瞬間に決定するというところ。
これにはマジックのような種明かしはないようです。
しかもペアになっている量子は情報伝達もなしで
片方が0に決定した瞬間に1になるというところも。。
さらに一度ペアを組んだ量子は、その後引き離され
物理的距離を与えてもこの現象は変わらないということです。
もし何らかの方法で情報伝達が行われているとしたら
その情報は光より早く伝達することになるのでありえない。。。
などといくら数式や実験結果で示されても、拙生の頭では・・
というより感覚的に受けいれることが出来ません。。。

ま、アインシュタインでさえ死ぬまで認めなかった
量子力学を、拙生ごときが理解できるわけがありませんよね。。。
でも多くの実験結果がそれが正解だと言っているわけで、
古くは半物質、比較的近年では宇宙のダークマターや
ダークエネルギー同様、近い将来受け入れざるを得ない日が
来るのでしょう。

面白いと言えば面白いかも

相対性理論では説明しきれていないビッグバン。
誕生直後の宇宙が極小さかった時代を扱う量子宇宙論を
理解できれば面白いだろうなとは思います。
それには量子力学の理解が必須です。
興味のある方は量子エンタングルメントとか
量子テレポーテーションというキーワードで
検索してみてください。
柔軟な頭を持ち、数学が得意な方なら理解できるかも。。。?

長文・とっ散らかりご無礼しました。

PS:言い訳は見苦しいゾ!蓮●うさん。ww

HOME

おすすめ

5件のフィードバック

  1. jg8pOc より:

    ”2位じゃダメなんですか?”
    懐かしいですねー!それにしても、クァンタムコンピューターまで出てくるとはビックリしました。
    開発は結構進んでるという話ですので、近いうちにはお目にかかれるなかな、ですね!

  2. Qsaku より:

    かなり前に、出てきた全ての解から逆に欲しい
    一つの解を導き出すのに手間取っているような
    話を聞きましたが、時間が経っているのできっと
    解決済みでしょう。
    量子スパコンが出現したらtop500の順位は
    大きく塗り替えられるでしょう。
    問題はセキュリティかな。
    今の秘密鍵を解読するには長い時間が必要ですが
    量子スパコンだとあっという間に解読。。。
    新たなセキュリティが並行して開発されて
    いるようですね。

    1位を取りに行った結果が2位だったのと、
    最初から1位を狙わないでの2位では意味合いが
    全然違いますよね。

    • jg8pOc より:

      全くですねー!やはり狙うのは、一番ですよね。
      それにしても、量子Cが完成したら本当に今のセキュリティ、
      意味なくなりますよねー^^;;

  3. Qsaku より:

    共通鍵暗号方式ならともかく、公開鍵暗号では1024bitは
    現段階でアウト、2048bitも危うくなり、4096ビットが
    当たり前になってきました。。。
    もっと強固な暗号化方式もありますが、これで駄目なら
    全部新方式にやり直し。。。?^^;;;
    なにをどぉやればよいのか皆目検討も付きませぬ。。。
    ま、そのころにはサーバーから引退していることでしょう。w

  4. Qsaku より:

    x 検討
    ○  見当
    でした。