HL1KGX修理

無線機屋さんに寄ったら火花が飛んだという
HL1KGXがメンテナン用のデスクに陣取っていました。
修理依頼されたのでとりあえず開けてみることに。

不具合箇所の特定

目を皿のようにして見ても火花痕は見当たらず
有りがちなドアノブやバンドSWの破損、プレート
チョークコイルコールドエンドの絶縁低下など、
思い当たるところは全て大丈夫なようです。
時間ばっかり経ってしまうので、ちょっと乱暴ですが
現状でパワーを出して不具合を確認しようと思い、
その前に写真撮影をとスマホを向けたときに気づきました。
ロード側VCのロータの縁がちょっとだけ変形?
最初はゴミの付着かと思い指で触ったところ、ほんの
少しですがバリのようにささくれだっていることが判明。
黒くはなっていませんがここで飛んだようです。
肉眼では分かりませんでしたのでスマホ様様です。w


補修した後なのでこの写真じゃ分わからないかも。。。

時間のあるときで構わないと言われたのですが
開けてしまい不具合の原因も突き止められたので
やっつけてしまうことにしました。
VCロータの縁の変形を補修するのは気を使います。
ロード側で耐電圧がいらないためステータとの
間隔が極端に狭いためです。
縁を変なふうに削ったらかえって飛んじゃいますから
研磨パッドを使って角ばらないようゆっくりゆっくり
時間を掛けて磨きました。
磨きながら分かったことは1箇所だと思っていた
変形は計4箇所ありました。^^;;

磨いた後の残粉は刷毛を使って取り除き、最後に
コンプレッサでに吹き飛ばします。
これでも火花が飛ぶようならVCの交換ですが、
同サイズで同じ容量のものが入手できるかは甚だ
疑問なのでこれで収まってくれと祈るばかりです。(笑

直ったみたい

他の疑わしいところもチョチョっと手を掛けて
(と言っても1時間ほど。)IC-7300Mとダミーを
繋ぎこんで試験すると。。。
各バンドで無事パワーが出ることを確認。
火花は飛びませんでした。
ただしIC-7300Mは最大50Wなので80mで500Wチョット手前、
10mで400W弱までの確認でした。
さすがATT入なので入力のVSWRはどのバンドも1.0ですが、
押しが必要で50W機ではフルパワーにちょっと足りませぬ。。。
しかし故意にロードVCをリチューンしたりしても問題
なさげなのでこれで終了ということで。

あくまで想像ですが

最初バンドSWが80mになっていて、変形していたVCの
ロータ部分が、ステータに潜り込む位置あたりの
変形あることから、80mでパワーを出していたとき負荷
(アンテナ)の変動でインピーが高くなり放電したのでは
ないでしょうか。
例えば強風によるアンテナの接触不良とか。。。
アンテナ切替器を75mにして80mで送信・・なんてのも
有りうるかもしれません。

簡単な修理?

修理に必要な交換部品もなかったし、VC磨いただけで
直ったから簡単ですって?
いえいえ、それを見つけて再発しないようにするのは
決して簡単ではありません。
駄目になったものを交換するのではなく補修ですから。
また他にも波及していないか全部を確認し、動作保証
できるようすべての確認をするには時間もたっぷり掛かります。
小さい・大きい関係なく、ある意味作るより修理のほうが
スキルもいるし難しいのです。

このHL1K・・・

なんと先日タワー撤去したオーナーのものでした。
タワー撤去時にHL1Kの修理できないかと言われましたが
どこが壊れているかによるので、交換部品の関係や
修理代が異なるので直る・直らないも含めて
診てみないとなんとも言えないとお答えしたままに
なっていたものでした。
結果的に拙生が直しましたが、VCが使い物にならなず
交換用が入手できなければ修理不可か代替品を使った
大(中?)改造だったでしょう。

HL1Kのバージョン

ところでHL1KGXですが、当初のHL1Kとはかなり変更
されています。
初期バージョンはカソードがグラウンドにベタで
ATTを介したグリッド入力でしたが、HL1KGXはATTを
介したカソード入力のAB1級GGに変貌しています。
球も4x150Aから4CX250Bに変わっています。
そう言えばHL1K/Aってバージョンも有り、これは
球が4X150AのGGアンプで、上記2つの中間バージョン
みたいなやつです。
色々あるので手がけるときは注意しないといけません。

帰国

連れ合いが海外出張から帰ってきました。
荷物が多いので空港まで迎えに来いという
至上命令が下され迎えに行きました。(笑
休み無しで明日は函館出張なので、またもや
朝早くからアッシー君として活躍予定です。。。w

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