[dBμV][dBm]換算

何度も書いていますが今日もこの話です。
業務屋同士では当たり前のように通じる話が
詳しいとされる一部のアマチュアの方には通用しない
ようなので大変失礼ですが基本中の基本をしつこく書きます。

基本
0[dBμV] の信号源電圧は 1[μV]ですが
内部インピーによる電圧降下により、電圧は半分になり
0.5[μV] となります。

そこで消費される電力は

P=(0.5*10^6)^2/50=5*10^-15[W]

になるためdBmに換算すると

10log((5*10^15)/(10^-3))=-113[dBm]

であり、-107[dBm]ではありません
[dBμV]はあくまで開放端電圧であります。
開放端と終端では6dBの差が出ることを
忘れないようにしなくてはいけません。

おさらい
SGの出力表示が0[dBμV](1[μV])である時に、
50Ω入力の受信機を繋ぎ込むと入力は0.5[dBμV]で
受信電力は-113dBmになります。
そのときのSGの表示は-6[dBμV]とはならず、
0[dBμV]のまま、つまり開放端電圧表示のまま
言うことです。
そうでなければ[dBμV]という単位の定義から
外れてしまうことになります。

また50Ω入力の送信アンテナで入力電力10Wのモデルで
プロフィールを引くときには、113+40=153が採用されます。
(10Wは40dBmなので40を足す。)
これにアンテナゲインや自由空間損失、ナイフエッジ回折損失や
フネレル等々を加味してゆきます。
あくまで113で107という数字は出てきません。

変な言い方ですが逆に終端から開放の場合。
0dBm(1m[W])は50Ω終端では0.223606798[V]の電圧が
発生しますが、[dBμV]の定義から開放端電圧とするために
2倍の0.44721359[V]からの換算にしなくてはいけませんので

20log((0.44721359)/(1*10^-6))=113[dBμV]

となるわけです。

簡単に書くとこんな感じです。

信号源電圧 dBμV換算 50Ω終端
    1[μV]   0[dBμV]   -113[dBm]
  10[μV]  20[dBμV]   -93[dBm]
100[μV]  40[dBμV]   -73[dBm]

50Ω終端  dBm換算  開放端電圧
 
   1[mW]   0[dBm]   113[dBμV]
  10[mW]  10[dBm]   123[dBμV]
100[mW]  20[dBm]   133[dBμV]
    1[W]   30[dBm]   143[dBμV]
  10[W]   40[dBm]   153[dBμV]
100[W]   50[dBm]   163[dBμV]
  1[KW]   60[dBm]   173[dBμV]

ちなみに6dB差は理屈の話で負荷となる内部抵抗の
f特などにより正確に6dB差とはなりませんが
当たらずとも遠からずなんですね。

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