それに応じた回路@2SC1815

昨日ポストのどんな【それに応じた回路構成】を
使えば底力が発揮できるのさ?って正月早々
口の悪い友人からのご質問であります。w

では一例を・・・モトイ!二例を上げておきます。

今回のIFアンプに使うのは下側の回路(入力付近は省略)で
1段に2個の2SC1815なのですが、複雑そうですがよく見ると
通常のエミッタ接地にベース接地を組み合わせてあるだけです。

ベース接地(上側の回路)はご存知でしょうが、信号源から
エミッタへ電流として流すための入力抵抗がありますが、
エミッタ接地アンプのコレクタが直接接続されてコレクタ電流が
そのままエミッタに流れ込むという寸法です。

ベース接地は高周波特性に安定していて、優れたスペック
ではありますが電流増幅率は1未満、つまりマイナスゲイン
なので電圧増幅でゲインを稼ぎます。
結果として入力Zは低く出力Zは高いという特性になります。
この特性はエミッタ接地のアンプに直接ぶら下げるには極めて
都合がよくしかもその組み合わせはNFを含めて非常に優秀です。

お次です。(笑

エミッタフォロア

エミッタフォロアも高周波特性に優れていますが、
ベース接地とは逆に入力Zが高く出力側が低くなります。
低いということは電流が流れることで電力増幅ですね。

通常使うエミッタフォロワは右下ですが、左側のやつには
余計なモンがぶら下がっているでしょう。(笑
これは定電流回路の一種なんです。
エミッタ抵抗の両端電圧はベース抵抗に掛かる電圧から
立ち上げリ電圧の0.6〜0.7Vを差っ引いた電圧に固定される、
つまり定電流しか流れないのです。

なんでこんなことするかって?
ぶら下がったトランジスタが定電流で変化がないってことは
エミッタ抵抗に電流の変化はない=高周波を流さない!
つまり右下の通常回路と違い高周波に対し無限のインピーダンス
を持つため、高周波の抜け道はカプリングCのみなので、ロスなく
出力されるという寸法です。
オーディオあたりでは使われていますよね。
でもHF程度までは実に安定した特性を持ち優れた
回路であります。
一度間違えて低周波増幅用の2SC509で10MHz台のバッファを
組んでしまいましたが、全く問題なく動いてくれました。
。。。と言いたいところですが509は結構パワフルでレベル
が高すぎてATTをかましたという思い出があります。

ちなみに定電流回路の一番単純な構成はCRD・定電流ダイオードを
使うことですが、FETのゲートとソースをショートさせたものでも
代用でき、電流値はソース抵抗を可変することで調整できます。

本日のまとめ

一つ一つみるとよくある回路なのですが、それらを
うまく組み合わせて適所に採用すると、優れたスペックが
確保できるという例を上げてみました。
もちろん単体で優れた特性を持つデバイスを使っても同様に
改良されるでしょうが、単体で使うよりずっと差が
埋まって来ます。@HFでの話

他にはないの?って聞かれそうなので。。。。

ベース接地のPP。
PP入力コイルの中点にLocalOSCを突っ込んだMIXer。
(デュアルゲートFETなんかよりはずっとマシ。)
2SA1015のコンプリでのエミッタフォロア。
差動型AMPL自体はよく使われていますがカスケード
やカレントミラーとの組み合わせた回路。等々
用途を低周波やDCにまで広げればもっといっぱいありますよ。

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