もっと基本から@バイアス

昨年大晦日のポストに対し、時々ベースやエミッタに
何もついていなくてバイアスが掛けてあるとは思えない
回路を見かけるけど、バイアスって絶対掛けなくちゃ
いけないものなの?という唐突なご質問が来ちゃいました。

バイアスと言っても自己バイアスと固定バイアスがあり
それぞれ種類があるので、回路を見ない限り本当に
ノンバイアスなのかは判断できませんがそれは置いておいて。。

掛ける掛けないは必要な動作のクラスによります。
トランジスタは基本的にスイッチング動作です。
E-B間に0.6V以上の電圧がないとOFFの状態であり
ベースからエミッタに電流は流れません。

ですからバイアスを掛けずに単に高周波を入力すると
ベースが0.6Vに達するまでは出力はゼロです。
0.6Vに達してIBが流れ始めるとB-EがONの状態になり、
入力のプラス側のみ出力されるため、所謂スイッチ動作
となりますので、当然入出力の波形は大きく異なり、
つまり歪が大きな出力となります。
それでもよければバイアスは掛けなくても良いことに
なりますが、歪を少なくするためにはバイアスは
必要不可欠となります。

バイアスを調整してIBがナンボ流れたと言った時点で
E-B間はONになっています。
バイアスとは予めONにしておくためのものであり、
また掛ける程度で動作点も決定します。
某かのバイアスを掛けることにより入出力は相似波形を保ちます。
もちろんトランジスタの動作範囲を超えた過大入力の場合は
この限りではありません。

トランジスタのリニアリティを語る場合はバイアスの他に
負帰還の話がが必須ですが、ご質問の内容には入っていないので
割愛し、結果的に常時ONになる程度のバイアスで出力波形の歪は
飛躍的に低減します。
バイアスでどこまでプルアップするのかは、回路の
使用目的による動作クラスとその回路構成によります。

極限に能率を追い求めるのでなければ通常は某かの
バイアスを掛けておくべきです。

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