使用部品を知る@CB303M4

本日のテーマは使用部品を知るです。

再びCB303M4@DBM

一昨日のMAX+23dBmの件でCB303M4の資料を
引っ張りだしたのでちょいと書いてみます。

昨年暮におおよそのスペックをご紹介しましたが
詳細なデータシートはなかなか見つからないかも
しれないので貼り付けておきます。

回路を見るとアイソレーションを取るためにダイオードが
2個シリーズでブリッジを組んでいるのがわかります。
スイッチング動作のOFFの時のアイソレーションですが
シリーズにすることで6dBアップとなります。
1SS43で作った時代によくやった手であります。
それでもL to R(Local to RF)やL to I(Local toIF)が
25dBしかないじゃんと思った方はなかなか鋭い。(笑
LocalがMaxで+23dBmですから、RFやIFに-2dBm漏れちゃう
のではないかと心配になります。
-2dBmは111dBμですから非常に強力な漏れでありますが
実は大丈夫なんです。
ダイオードのアイソレーションはOFF時の容量によるスルー
が原因であります。
シリーズにすれば容量は半分になるのでアイソレーションの
改善に繋がるというわけです。
容量は固定なので周波数が高いほどアイソレーションは
悪化するのですが、そのへんのことをグラフにしたのが
下の2番めのやつ。(ちょっと見づらい。。。。)
グラフで見ると500MHzでも40dBほど取れていますが、25dBは
ミニマムであり、理想的な状態で実装されなかったりした場合
などはそうなるということなのだと思います。
実際に扱うのはRF10MHz台・Local14MHz台・IF4MHz台なので
50dB程度は取れるのがわかります。
それでも-27dBmは86dBμという値ですから、IF出力には
ダイプレクサなどで目的外周波数のエネルギーを上手に
減衰させることが重要となります。

ところでアンテナ入力がゲート接地の2SK125PPのRF段を通して
DBMに入力されるレベルで+10dBmを超えるものは極々稀でしょう。
ハイパワーの超ローカルかアンテナ直下で運用している
移動局の信号?または測定器による。(笑
20dBμの信号だと-93dBm、60dBμでもたかだか-53dBmです。
しかしローカルOSCは+23dBmがマックスで少なくとも+15dBm
以上は欲しいなんていうのは一体なぜなんでしょう。
ローカルOSCはダイオードをスイッチング出来るだけのレベルが
必要だからです。
ショットキーバリアDiはONの立ち上がり電圧は低いのですが
2個シリーズだと2倍必要ですし。
時間軸で見ると信号入力とローカルOSCはアナログ乗算され
IFへ出力されます。
乗算と言っても周波数的には加算・減算ですけど。

DBMに基本を拙生流に言わせてもらうと、RFinはスイッチング
しない程度の小信号、ローカルOSCはスイッチングできる大きな
信号で許容範囲内で大きいほど変換ロスは少なくなる。
といったところです。
RFinでスイッチングが始まるような大きな信号が入力される
可能性があるならATTでスイッチングしないレベルまで下げてから
入力します。

 実際のバンド内は単信号ということはあり得ません。
 スプリットで超ローカルや強力なスーパーステーションが
 何局もDXを呼び始めるとあちこちに奇数次のIMDが立ち上がり
 それが受信入力電力のトータルに加わります。
 2SK241や3SKナニガシのデュアルゲートでは使い物にならない
 かもしれません。
 2SK125やJ310がいくら混変や相互変調歪特性に優れている
 とは言え、AGCがかけにくいこともあり、条件によっては
 ATTで絞る必要性もあり得ます。
 (AGCが掛けにくい件はピンATTで解決できます。)

で、ローカルOSC出力は何dBmと決め打ちしてはなかなか
作れないので、大きめなものを作って最適入力になるよう
ATTで落とすことになります。(安定化にも繋がる。)
時間があれば10dBm〜20dBmあたりを変化させて入力して
いろいろ測定してみると面白いでしょうねぇ。

データシートによると変換ロスに関しては+15dBmと+20dBmで
0.5dBくらいしか違いませんし、後は1dBコンプレッションを
比較検証して気になる劣化がなければ+15dBmを目標値に
しても良いかとなどと考えております。
おっと、SGが過大入力になるまで出力しないかも。。。(笑笑
もっとも上述のとおり大レベル入力はATT処理しちゃいます。

  *いつも書いていますが【dBμ】は開放での表記です。
   6dB違うじゃん、と思わないでください。

  *周波数が低いところで使うので配線のインピーや
   位相については触れません。

  *シリーズのダイオードの中点に細工をするともっと
   アイソレーションは改善されますが、今回は自作でなく
   CB303M4の使用なので改良できませんね。
   HFなのでこれも触れません。

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