スイッチの説明を試みます。

ネットワーク基礎@第三段ということで。

もう一回宿題を出してからと思いましたが、
概略を分かりやすい言葉で理解してもらうのは
拙生の努力(笑)で十分なのかと考えなおし
スイッチの説明を試みます。

スイッチの一般的な概要

ブリッジやルーターがブリッジングやルーティング機能を
ソフトウェアで行うのに対し、L2スイッチとL3スイッチは
ハードウェア処理を行う。

あちこちで観られる解説ですが、実は上記の説明は
多少間違っている説明だと思っています。
ブリッジやルーターも最後はハードウェア処理だからです。
ま、汎用的なハードウェアをソフトが大活躍して順番に
処理を行わせるので、ソフトウェア処理と言い切っても
大きな齟齬はないとは思いますけど。

それに対しハードウェア処理を行うスイッチは、
汎用ハードウェアを順番に使うのではなく、
処理に必要な複数のハードウェアを用意しているため
ソフトウェア処理の時間分だけ、また並列処理が
可能になるため高速になります。

近年ソフトウェア処理も高速化するための改良が進み
差は縮まってきているようにも見えますが、やはり
スイッチが早くて安定性があります。

レイヤー2でブリッジング機能を有するのがL2スイッチ、
レイヤー3でルーティングを行うのはL3スイッチです。

紛らわしすぎる呼称・・・

ネットワーク系の技術者とお話すると、単にスイッチと
言った場合はどぉやらL2スイッチを指していることが
多いのですが、それと区別するためにL3スイッチを
ルーティングスイッチと言ったりします。
このくらいはなんとか理解できますが、上記の定義とは
異なるのにスイッチやスイッチングと名付けるものが
あったりするため、ネットワーク構成に必要な機能と
製品の仕様をしっかり把握し臨まないと騙されてしまう
ときがあります。
ま、騙されたほうが悪いんですけど。。。

メリット・デメリット

スイッチのメリットはなんと言っても早いことと、
信頼性が高いことです。
デメリットはソフトウェア処理と違い柔軟性がない
それを解消するのにプログラマブルL3スイッチなんてのが
できてきて、管理者が内部のロジックの定義を
変更できたりするものもあります。

結局ソフトウェアに依存する部分も大きくなっているため
その分信頼性も下がってしまいますが、利便性は飛躍的に
向上しています。

関連キーワード ASIC(エイシックなどと呼びます)

友人からL4スイッチもあるんかい?
などと尋ねられていたのでちょっとだけ解説しておきます。

L4to7(L4-7とも書かれる)スイッチ

読んで字のごとくOSI参照モデルのレイヤ4から7で
処理するスイッチですが、一般的には
サーバーロードバランサー(SLB)か
単にロードバランサーと呼ばれています。
知る限りでは安くても100万円以上、普通は数百万も
するもので大規模なネットワークに使用されます。

拙生のような貧乏人が負荷分散を簡単に行うなら
DNSのラウンドロビン方式があります。
複数のサーバーのIPアドレスに同じホスト名を
振っておくだけで、要求に対し順番に名前解決を
行うことで機能を実現しています。

ではなぜ高価なL4to7スイッチなんてのが存在
するのでしょう。
DNSのラウンドロビンではDNSがサーバーの状態を知る術を
持たないため、サーバーがダウンしていてもお構いなしに
順番に指定してしまうのです。
また、負荷の偏りが大きくなる可能性が大きく、
アクセス数が尋常でないネットワークにおいては
致命的な欠陥となります。
これらはL4to7スイッチで一気に解消できます。

またL4からL7に跨ぐことで様々な機能を実装できます。
例えばSSL(HTTPS)フィルタ付きの高機能なものもあり、
暗号化された信号をスイッチで復号化し、サーバーに
バランシングし、サーバー負荷の大きなSSLの復号処理を
肩代わりしちゃうというわけです。。
SSL-VPNの肩代わりも可能です。
これはホンの一例です。

ま、拙生が公私で扱うネットワークでは一生導入することは
ないでしょうから、お勉強不足でこの程度の知識しか
ありませんのでこの辺で止めておきます。(笑

関連キーワード サーバークラスタリング VRRP 

次回はAPRあたりの説明からいきまっか。。。

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