LPFのいろは

本日は5時前に起きて5時55分に家を出て、連れ合いを
JR駅まで送りました。
成田から昼ころの便でなのですが、連れ合いのたっぷり
余裕を持っての行動にすっかり慣らされているアッシー君です。。。

本題

この手の話が数日間のうちに立て続けに3度あったので
アンテナと無線機の間に挿入するLPFについて、ちょっと
書いておきます。
本当に基本中の基本なのでつまらない話なのですが。。。

HF用LPF ??
 カットオフ30MHzのLPFだけでOKなのか。

カットオフ周波数が30MHz程度のLPFが2倍の高調波を
抑圧できるのは15MHz以上の基本波です。
7MHzに対しては4倍まではスルーで5倍から効いてきます。
それ以下の周波数では7倍でもスルー・・・
つまり高調波の抑圧はできないと考えましょう。

その昔アマチュアバンドのHF帯は3.5・7・14・21・28と
お行儀よく倍数で並べられた周波数帯が許可されていたため、
高調波による混信などの妨害は、アマチュアバンド内だけで
収まるといった考え方から、アマチュア以外の無線局に
妨害を与えないという目的なら、カットオフが30MHz程度の
LPFでも事足りる、という理屈がまかり通ったわけです。
ところが現在はトップバンドや3,8MHz、WARCバンドなどが
許可されるようになり、倍数がアマチュアバンド内で
収まらない関係になってきました。

最近の7MHzの拡張もしかりです。
例えば7.2MHzなら2倍は14.4MHz、3倍は21.6MHzと
アマチュアバンド外になってしまいます。
であるなら抑圧できないカットオフ30MHzのLPFは付けるだけ無駄・・・
いえいえ基本波も挿入損失で目減りしてしまうという邪魔ものに
成り下がってしまうとになります。*注
無線機内部のLPFのようにバンド毎に切り替えて、7MHz帯なら
14MHz以下がカットオフになるものをアテがってやらなければ
なりません。
カットオフを11MHzとかにすれば10MHz帯との共用はできます。
同じ理屈でカットオフ30MHzであれば18〜28MHz帯は共用できます。

昔ながらの理屈で高調波がアマチュアバンド内であれば許容するといった
考え方の是非については、例えば14MHz帯で2倍の高調波は28MHzに
収まるので問題ないというのは14に出る人の理屈であり、28MHz帯で
弱いDXの信号をノイズの中から必死にピックアップしようと頑張っている
ローカル局に対しての言い訳には成り得ないでしょうから、そういった
考えはもう古いんだと理解して、きっぱり捨てしまうべきだと思います。

BPFはどぉなのさ?

バンドごとにカットオフ周波数が異なる複数のLPFが必要なら、
各バンドのBPFならどぉ?て考えたくなりますが、満足できる
シェープファクタで挿入損失の少ない高耐電力のBPFは、VやUHFでも
物理的にかなり大きくなりましてやHFのKW級なら本当に馬鹿でかく
なってしまいます。
LPFと同じくらいの大きさのBPFも売っているので入手可能ですが、
そのくらいの大きさではシェープファクタか損失、または両方を
犠牲にしており耐電力もありません。
BPFはコンテスト局などでマルチバンドを運用するときに
自局内での高調波による妨害を防ぐために使う程度に留めて
おいたほうが無難でしょう。
その場合送信よりも受信の相互変調や混変調に対する対策の
意味合いのほうが大きくなるので、リニアアンプの後ろより
リニアアンプと無線機の間に挿入すれば良いことになります。

そんなLPF売っていないって!?

カットオフが4MHzとか11MHzのLPFを見かけることはありません。
しかしLPFは適切なカットオフ周波数を選んで、高調波の過度な
抑圧を欲張らなければ、損失が少なく高耐電力なものを比較的簡単に
製作することが可能です。
2倍の高調波が抑圧できるカットオフ周波数での製作をおすすめします。

 *注 反射が立つ負荷と無線機の間にLPFを挿入すると、挿入損失も
    含めて無線機側から見たVSWRが安定する場合もあるという
    メリットはあります。

さて、先日落札した3台のアンプのRF部の送り先は作業場にさせて
いただいているFDTラボになっています。
すべて着払いなので先に届いた1品目は建て替えてもらっていたので
仕事の帰り際に寄ってその分とこれから届く2品の送料を置いて
きましたが、本日は24mまで伸びる高所作業車での仕事だったため。
大きな車を長時間止めておけないので、それのみで帰ってきました。
玄関先で用事を済ませただけで帰ってきたのは初めてかも。。。

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