電波防護指針の計算してます。
1日1バンドを目標に電波防護指針の
合否に纏わる計算をしています。
こんな感じかな。
50MHz 6素子八木アンテナ
条件
地上高 18m
送信出力 1KW
給電線・フィルタ総合損失 -1.7dB 実測
リアルグラウンドにおける諸元
中心周波数 50.075MHz
利得 17.51dBi 15.36dBb
fo VSWR 1.0
仰角 4.7°
自由空間における空中線利得 11.90dBi 9.75dBd
計算例 (俯角5°)
* 電波防護のための基準への適合確認プログラムによる計算
項目 諸元等 単位
周波数 54.0000 MHz
送信機出力 1000.00 W
給電線等損失 1.7 dB
空中線入力電力 676.0830 W
空中線利得 9.8 dB
空中線電力電力比率 9.4406 倍
算出地点までの距離 114.7 m
反射係数 4.00
電界強度基準値(~30MHz) V/m
電力束密度基準値(30MHz~300GHz) 0.2000 mW/c㎡
電界強度算出値(3MHz~30MHz,反射考慮) V/m
電力束密度算出値(30MHz以上,反射考慮) 0.0154 mW/c㎡
電界強度算出値(30MHz未満,反射無視) V/m
電力束密度算出値(30MHz以上,反射無視) 0.0039 mW/c㎡
基準値=算出値となる距離(反射考慮) 31.8721 m
基準値=算出値となる距離(反射無視) 15.9360 m
判定(反射考慮) ○
判定(反射無視) ○
* 条件が厳しくなる54MHzで計算
* 俯角減衰量はアンテナ利得として換算
* 以降各俯角によるアンテナ利得で同様に計算(計算は省略)
俯角における空中線利得
俯角 | 空中線利得 | 空中線利得 | 算出点距離 | 必要距離 | 合否 |
(°) | (dBi) | (dBd) | (m) | (m) | ○/☓ |
90 | -10.21 | -12.36 | -18.00 | -2.50 | ○ |
80 | -1.39 | -3.54 | 18.28 | 6.90 | ○ |
70 | -0.27 | -2.42 | 17.16 | 7.85 | ○ |
60 | -3.88 | -6.03 | 18.78 | 5.18 | ○ |
50 | -9.72 | -11.87 | 21.50 | 2.64 | ○ |
40 | 1.95 | -0.20 | 15.56 | 10.14 | ○ |
30 | 8.77 | 5.22 | 20.00 | 18.92 | ○ |
20 | 9.89 | 7.74 | 29.24 | 25.29 | ○ |
10 | 10.95 | 8.80 | 57.59 | 28.57 | ○ |
5 | 11.47 | 9.32 | 114.74 | 30.33 | ○ |
0 | 11.9 | 9.75 | >120 | 31.87 | ○ |
*算出点距離 俯角により到達する点と空中線との距離
高さ/sainnθ により算出
*70°から50°までは渡り廊下、40°から5°までは
校舎が対象となる。
廊下および3F床面に2mを加算した高さまでの距離とする。
*必要距離 基準値=算出値となる距離(反射考慮) を記載
*計算に多少の誤差を生じてもマージンが確保されているため、
自己診断は合格とする。
実際に基づいたアンテナを自由空間で計算しなおし
俯角減衰量を加味した空中線利得(dBd)をシミュレータの
パターン図から取り出したもので計算し合格に必要な
距離を出します。
アンテナ直下は地面ですが、傍には渡り廊下や校舎があり
特に3階建ての校舎は床面高6m+2m=8mとしています。
アンテナは地上高18mなのでその差は10m。
俯角40°から校舎が対象になるなら 10÷sin40 で
15.557238269m≒15.56mの距離となります。
俯角40°の減衰量は-9.95dBですので、0°が9.75dBdの
アンテナでは-0.2dBdの利得となりますます。
これを計算式用フォームに入力して計算させると、必要距離は
10.14mと出ますので反射考慮(6dBupで距離2倍)でも十分合格範囲です。
なにが時間がかかるのかというと、各俯角に対する対象が
アンテナ位置・高さにより異なるので、平面・立面図から
拾って角度別に計算していることです。
で、現在高い方の50MHzから18MHzまでを終わらせました。
ビームアンテナは50・28・24・18・10MHz帯の5本で
残りのバンドはエンドフェッドのマルチバンドワイヤー
アンテナですが、実はコイツがなかなか難しい。
λ/2を超え、例えば2λとなる周波数では電流の腹が
4つ出来て、パターンはローブが8個となり、左右対照、
上下対照で羽を広げた蝶々みたいな格好になります。
難しいのはシミュレータで計算させるときにエレメント方向を
変えると計算結果が全く別物となってしまうのです。
つまり複数のローブが様々な特徴を持つということですから
いろいろなエレメントの張り方で計算させ、その中から
最悪の条件で合否判定をすることになります。
また複数のバンドのアンテナをスタックにした場合は
実情に即したスタックの状態で計算しています。
つまり・・・時間がかかるということです。
周波数も最悪の条件で計算させます。
50MHz帯のアンテナはfoを50.075とし50〜50.15までしか
考えていないものをデザインするので、実際には絶対
出られないのですが、フォームへ入力するのはどのバンドでも
最高周波数で、50MHz帯なら54MHzとしています。
高い周波数ほど距離が必要なので54MHzが最悪条件です。
これは実際の運用時にはマージンとなります。
また拙生流の一番大きなマージンは、必ず許容範囲である
1KW+20%の1200Wで計算させても合格することとしています。
これに合格しなければアンテナ高を変更するとか
使用同軸ケーブルが10DFBなら10D2Vに変更して損失を故意に
大きくするとかで逃げるのですが、今のところ否となった
アンテナはありません。
明日は14MHz帯をやっつけますね。
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