FL2500の思い出

昨日思わぬことでFL2500を頂いてしまいましたが
FL2500には思い出があります。

いつだったか思い出せないくらい古の頃
実は拙生が移動しない局を最初に取得した時に
使ったリニアアンプがFL2500でありました。

当時すでに4-400×2やら4-1000シングル
やパラといったアンプ製作を手がけていましたが
どれも実験段階でシングルバンドかリレーで
切り替えるデュアルバンドでした。

ローカルからいらなくなったFL2500を10K円で
譲り受けていたのですが、当時は500Wまで
だったので250W以上出ればこれでも免許は
おりるだろうとダミーを使って送信してみたところ
バンドによっては250Wどころか600W以上出る
という小型ながら結構パワフルだったことに
びっくりしたのを覚えています。
ただし真空管から発せられるパリパリという音で
とても長時間送信には耐えられないだろうということは
容易にに想像できちゃいましたけど。。。w
それでも免許取得用くらいにはには使えるだろうと
思っていたのですが。。。

しかしダミーに軽くカプリングさせて2トーンで
波形観測をしてみてがっかり。
(当時から仕事用のスペアナを使える環境だった。)
ここからハマることに。
何をしたかというとオリジナルのFL2000は
基本的に各グリッドをグラウンドに落とした所謂
ベタコンアースってやつですが、コントロールGだけは
マイナス数ボルトのバイアスをかけてアイドリング電流を
調整できるようにしてあります。

免許取得用だけのためならヤメれば良いのに
これにSG電圧をかけてAB1級GGアンプに改造したのです。
SGに電圧をかけると当然数Vのバイアスでは話にならず、
マイナス数10V程度のバイアス用電源も必要です。

回路検討している時に気づいたのですが、送信時の
バイアスの電圧は12VツェナZで安定化したものを
VRで調整しているのですが、安定化する前の電源は
30V程度ありましたので、もしかしたらSG電圧を掛けた時の
動作点のバイアスとして調度よいかもと思ったわけです。
勘は当たりそのままバイアスとして使えましたが、その代わり
受信時の切り替えはSGにリレーを入れてSG電圧を切り離し
念の為グランドに落とすのではなくマイナス30Vを
掛けるようにしました。

もちろんオリジナルのケース内部に余裕は一切ないので
SG用電源はシャーシ上に組んで外付けとしました。
SGの切り離しリレーは外付けシャーシの方に付けて
しまったのが大きな間違いで、SG電圧の他に本体との間に
切り替えの制御用やマイナス電源を渡さなくてはならず、
リレーを本体に入れれば良かったと後悔したものの
後の祭りで、更にコモンモード対策でコアを入れたり
したため仰々しい配線となってしまいました。

苦労した甲斐があって、スペアナ観測でもなんとか
納得できる波形となりましたが、その分アウトも目減りして
最大450W、ハイバンドでは350W程度となってしまいました。
+20%-50%ですから良しとしました。

500W検査時にこれはなんですか?と聴かれ、SG電圧を
掛けてAB1級にしていますと答えたものの、よほど
怪しかったのでしょう。
回路図あったら参考までに観せてくださいと言われました。
回路図と改造前後のスペアナのデータをお渡ししたところ
納得していただき、なんとか500W免許を受領することが
できたというお話でした。

当時は住宅地にある賃貸住宅という環境であり、
ローバンドのアンテナは張れず、100Ωの無誘導抵抗の
両側に5m程度のエレメントをつけて一応どのバンドでも
VSWR2以下で出れるというウルトラCのアンテナで
免許されましたが、トップバンドではダミーにヒゲを付た
漏れでの電波なのでほとんどアンテナとしての体をなさず
ハイバンドでいざという時のみの使用でしたが、100Wと
350Wでは飛びに飛躍的な改善を体感することは
ありませんでした。
まもなく住宅地での運用に限界を感じ別宅シャックを作り
アンプもいきなり7F71RFとしたので、FL2500改アンプの
出番はほとんどないままで終わってしまいましたが
最初の移動しない局開局用としてずっと記憶に残って
いると思います。

  * 重箱の隅・・・
    
   ベタコンアースといいますがアースは大地への
   接地であり、シャーシに落とすのはグランドです。
   記号も違います。

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