CRCエラーは突然に・・・@小田和正風

ツレアイからUSB外部HDDがおかしいとSOS。
BIOSでHDDは認識しされ、その情報はOSに渡されてはいます。
Windows上ではFドライブとなっていますが、中身を見ようと
クリックすると出てきたのがCRCエラー・・・

CRCとはCyclic Redundancy Check、日本語では
巡回冗長検査であり、データの転送や格納・上書き
などの処理が正常に行われているかチェックする
エラー検出システムです。
DVDなどのメディアであれば、読み込めない場合などに
このエラーが出てきますが、汚れや軽い傷などが原因なら
汚れを拭き取ったり、表面を研磨して傷を取り除けば復活します。

しかしHDDの場合、復活しないことが多い・・・
特定ファイルを開いたり転送しようとしたときにのみ出るのなら
他のデータは生きている可能性は高いのですが、今回のような場合
それ以前にファイルシステムすら読めないのでしょう。
フォーマット形式を調べると案の定RAWになっているしぃ。。
RAWは生データのままってことで、いわゆるXPまでは
未フォーマットと呼ばれていたやつなんです。
きっとPBR(Partition Boot Record)が損傷を受けているに
違い有りません。

物理的損傷でなければフォーマットしなおせば復旧しますが、当然
保存してあったデータは一切失うことになります。
フォーマットせずに復旧するには、Windows がファイルシステムを
認識できるようにするためにブートセクターを書き換えますが、
これはこんな時に拙生が常用するTestDiskというソフトで実現できます。
ただし時間がたっぷり掛かり、また「物理的損傷でなければ」というのが
ミソなのですが・・・

いつもは外付けHDDから内蔵HDDにコピーして、作業結果を外部に
上書き保存するほかに、サーバーにバックアップを取っている
ツレアイですが、大急ぎの仕事でつい外部HDDだけで作業してしまい、
バックアップは取っていなかったそうです。
そんな時に限って不具合って起きるものなんですよねぇ。

と言うことでツールでPBRの復旧を試みることにしました。
最初のスキャンで70%位までは順調でしたが、そのあたりから
読めないゾォエラーが頻繁に発生しはじめ1%進むのにえらい
時間がかかり、外付けHDDから異音もが聞こえ始めました。
なんとかこらえてくれという祈りが届いたのか、異音が
しなくなりました。
ところがしばらくして気づくと73%から全く進みません。
異音がしなくなったのはHDDの回転が止まったからでした・・・
冗談抜きにセブンティスリーになってしまいました。(泣き

しばらくは別電源を試してみたり、同じメーカーのHDDの基盤を
借用して交換したりしてみましたが、残念ながら外付け君が
一度損ねたご機嫌を直してくれる奇跡は起きませんでした。

回転しなくなったHDDを分解してディスクを取り出してデーターを
救済するには、時間と少なくない費用が掛かります。
で、ここまででギブアップです。

長々と書きましたが、CRCエラーからの復旧成功例の投稿ではなく、
どんなに忙しくて急いでいても、大事なファイルのバックアップは
決して怠ってはいけないという投稿になってしまいました。

チェックディスクの功罪

ちなみに、CRCエラーが発生した時はchkdskはやめましょう。
「chkdsk」はHDDのエラーをチェックするものというのは間違いで、
本来はファイルシステムのエラーをチェックし修復するためのものです。
チェックできるはず!?と反論が聞こえてきそうですが、あくまで
おまけみたいなもので、セクタエラーエラー(しかもクラスタ単位)の
チェックに限定されます。
ですからファイルシステムですでに認識されているセクターエラーに対し、
chkdskは黙って通り過ぎるだけです。
更に今回のようにファイルシステムが読めていないのに、ファイルシステムの
エラーを修復しようとするなんてのは全く無意味です。
逆にchkdskはHDDへの負担が大きいため、ヘタリかかっているものに実行すると、
かなりの確率で症状を悪化させることがあるのです。

拙宅での通常のバックアップは、外からアクセスしたいファイルは
WebDAV、ローカル内ではSAMBAと棲み分けしています。
サーバーのこの領域は別サーバーに自動バックアップされるので、
2台にバックアップされていることになります。
勿論VPNでLAN内に入り込めばSAMBAも覗けますが、WebDAVだと
VPNを設定していない環境、例えば出先でパソを借りた場合
などでも手軽&セキュアにアクセスできるので絶対便利ですよね。

さらにおまけ

デジカメなどでおなじみのRAWですが、先に書いたように「生(ナマ)」
という意味であり、デジカメならjpgなどのように圧縮加工されていない
と言うことでありますが、実はパソコンではRAWというファイルシステムや
フォーマットは存在しないのです。
にもかかわらずVista以降のWindowsにおいて、ディスクの管理では、
XPでは未フォーマットだったものがRAWと表示されるために、あたかも
RAWというフォーマット形式が存在するんだと勘違いされているかたも
いらっしゃいますが、それは間違いなので誤解のありませんように。(@老婆心)

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