台風の爪あとから考える

次々に直撃し甚大な被害をもたらした台風。
今年は北海道も台風銀座となってしまいました。
残した爪あとは大きく、TVの画像で観る大きく崩れた建物や
道路の他にも、今だにボランティアに人たちなども参加して、
必死に掻き出している泥の絨毯。
農作物の被害も計り知れません。
駆け付けられないのがもどかしいです。

メディアでは通信インフラの崩壊も報じています。
中継局のダウンで携帯が繋がらなかったエリアも多々
あったそうです。
混雑による回線制限か、もしくは中継する光ケーブルや
電源となる電力線が切断されたためでしょう。

日本は先進国にしては珍しく、電気も電話も光も、にょきにょき
建っている電柱による架線・共架しているため、地震や強風、
地すべりなどで電柱が倒壊すると、一気に共架したインフラ、
すなわち電気と通信がダウンしてしまいます。

防災や消防無線など、電源や中継回線を自前で備えているところは
ダウンする確率は低いのですが、消防に「119番」しようとしても
掛ける側の通信インフラがダウンしてしまえば掛けようがありません。

携帯(スマホ)万能、1億総依存みたいな状況になりつつありますが、
中継回線がダウンしたり電力供給が止まって充電できなけりゃ
タダのゴミです。
なにかあれば携帯でSOS・・・は大規模災害時には通用しないと
思ったほうが無難でしょう。

拙生は長い間消防や防災の通信関連に携わっているので
多少は公共の防災に対する知識があります。
通常はハザードマップや防災マニュアルに即した設備を
構築していくからです。
で、公共機関が広報している防災マニュアルは必ず存在しますが
「ここまではできるがこれ以外は自力でやってくれ」
という明確な線引きが書かれているマニュアルにお目にかかった
ことはありません。
上記のような事態に対する公共の防災の限界を踏まえて個人や
町内会単位でどう対応し備えるか。。。

ないはずの断層が実は存在していたり、壊れないはずの設備が
壊れたり、地球温暖化による台風進路の変貌など、「想定外」の
人災・自然災害が増加しつつある今、自助・共助・公助、この辺を
まとめておくのも大切かな?なんて考えている今日このごろであります。

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