受信不能になった原因

6mで受信不能になったという無線機を修理しました。

以前2回路のうちの1回路に切り替えると、他方の芯線が
外部導体とショートするタイプのSWが存在し、このタイプは
かなりのアイソレーションが取れました.
現在市販されている切替SWは知る限り単に芯線を浮かせている
だけなのでアイソレーションはかなり落ちます。

アイソレーションの取れない切り替えSW

SW
  これを逆に1本のアンテナを2台のRIGで使用すると・・・

1台のRIGで2本のアンテナ切り替え時にはさほど
支障がないのですが、1本のアンテナを2台のRIG
(同一周波数帯)で使用するときは注意が必要です。
一方で送信すると他方は受信になっていますので、
送信電力によっては受信部フロントエンドデバイスを
ぶっ飛ばすことがあるからです。

原因はまさにこの理由でした。
現用設備と新しい無線機を聴き比べするのに切替SWに繋いで
カチャカチャやっていたのですが、そのまま現用設備の方で
電波を出してしまったそうです。
アンテナからの引き込み同軸に切替SWをつけて、現用設備
ではアンプも使ったそうなので、漏れと言えども受信機には
かなりの入力が入ったのでしょう。
で、ローカルから聴き比べのために借用した新製品の
無線機のRFが・・・悲しいですね。

さほど・・・と言いましたが例えば接続されている片方に
21MHzのアンテナ、切り離したつもりの側に7MHzのアンテナが
繋がっているようなときは、アイソレーションが悪いと
21MHzの漏れ電波が7MHzのアンテナにも供給され、3倍の
関係によりゲインがあると、かなり遠方まで飛んでしまう
可能性があります。
逆に7MHzのアンテナで受けた21の電波が漏れで聞こえ、
位相反転でもしてレベルを合わせれば、打ち消すことは
可能ですが、ローカルの信号に対して大概の場合は
21のビームの切れが良くない。。。なんて悩む事に
なるでしょう。

もしリレーを使って切り替えSWを自作される場合は
アイソレーションが取れるよう以下のようにすべきです。

SW2

ただしここにも落とし穴があります。
使用していないRIGで誤って送信しててまうと。。。
負荷がショート状態なので要注意です。

2つのタイプを比較するためにアイソレーションを
測定したことがありますが、データーをどこかに
しまいこんで見つかりません。@いつものことです。。
しかし少なくとも理想的にダミーで終端した状態の測定でも
カタログ値より15dB以上悪く、更に75Ωや100Ωの終端では
周波数が高いほどアイソレーションが悪くなり、40dB弱程度しか
取れなかったことは間違いなく記憶にあります。
つまり1KW(60dBm)では100mW(20dBm)以上の入力と
なるわけです。
簡易的な単純計算なので同軸ケーブル長などの条件に
よっては異なる入力になるとは思いますが、QRPP
送信機を受信機に直接繋いだ感じになりますよね。
ま、その程度でコケる受信機も考えものですが。。。

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