問題点解決の糸口

連れ合いは本日から3泊4日の青森出張で
その間自身のことに没頭できそうです。(笑

3edハーモ

CarrierOSCの3倍高調波である10.185MHzが
ハイバンドエッジのすぐ上にであることに
ついての対策を検討しました。

受信系

キャリアOSCから3倍高調波が不要輻射として、
RFやMIXerの頭から飛び込むことが考えられます。
IFの狭帯域フィルターを除けば、RFの入出力のLC同調回路は
広帯域であり、ほぼロスなくスルーしてしまう周波数です。
微弱電波でも同じ筐体内から輻射されれば、高感度な
受信部では影響を受ける可能性は十分あります。
周波数構成を見直す以外は、厳重なシールドと、接続される
電源ケーブルなど、全ての配線のデカプリング、および
配置しか対応策はありません。

電波としての輻射ではなく、信号経路であるBufferに
ラインに乗って抜けた場合、3倍高調波は中間周波数を扱う
検波回路に入るため問題にはならない。。。はずです。

実はもう一つあります。
CAR OSCの2倍高調波である6.79MHzが不要輻射として
VFOのバッファあたりに飛び込んだら。。。やはり
10.185がIFの3.395MHzに変換されることになりますね。

送信系

キャリアOSCから3倍高調波が不要輻射でドライバーや
ファイナルに飛び込んだ場合は、増幅されてアンテナへ
向かうことになりますが、受信機からくらべ利得が小さい
ことと、入力に飛び込んだ程度の電波では、グリッドを
十分スイングできないでしょうから、目的周波数との差は、
電波法の規定値内に収まっているはずです。

問題はこちらのほうで、キャリアOSCで発生した3倍高調波が
ラインを通りBufferを抜けて、更にドライバー・ファイナルで
増幅されれば結構なレベルになるでしょう。
受信部では必要ないかも?としたはLPFですが、
送信部には必須であり必要ならばトラップも検討します。

LPFの挿入位置

ここまではシールド、デカプリング、配置、それに
フィルターと、以前書いたことと大差ありません。
で、何を検討しているかというと、LPFの挿入場所です。
なるべくローインピーで処理したいわけですが、
MIXerやポロダクト検波前段のバッファはグリッド入力で
ハイインピーです。
CAR OSCはディバイス交換の際にエミッタフォロアを
改造してコレクタから引っ張り出しているので、
わざわざハイインピーにしてしまいました
エミッタフォロアに戻せば、比較的ローインピーになり、
真空管でバッファをもう一段カマせてカソードで受ければ
(所謂グランデッドグリッド)、50Ωとはいきませんが
その間にローインピーのLPFを挿入できます。

 基本回路例

 
エミッタフォロアと真空管のカソード入力ですから、
机上でインピーダンスをピッタリ特定することはなかなか
困難なので、各Cを可変パラメータとしてしまいます。
送信機の後に挿入するLPFと違い、基本波が目減りしても
2段構えのバッファが控えているので、ここは3倍高調波
撲滅のみに注力します。

現状(未対策)

測定器にかけるまでもなく簡易的なお試しでアウトです。

まず基板に電源を投入して3.395MHzを発振させ、FT-875の
アンテナ端子にワニ口クリップを突っ込んで、軽くカ
プリングさせただけで。10.185MHzあたりのSが5〜6位振ります。
Xtalに指を触れるとS9ですねぇ。。。^^;;

DSC_0225


でもバラックですし、同一電源から13.8Vを引っ張り出し、
基板には500Ωを挿入して9Vまでドロップさせただけです。
そのへんにあったフェライト系トロイダルコアに
バイファイラで巻いたコモンモードフィルターを入れると。。
ノイズ混じりの信号になり、更に配置をずらしたり銅板で
遮蔽してみると、ほぼ信号は聞こえなくなりました。

DSC_0226


  こんなものでも効果がありました。
  生では信号が強力すぎて効果が分からなかった
  バイパスCの補強も、CMFを入れると弱くなることで
  効くことが分かるようになりました。
  強力に受信した高調波は、共通電源での結合でしたので、
  漏れ電波によるものはわずかであり、対策は容易でしょう。
  デカプリングの必要性が痛いほど分かりますねぇ。

つまりSメータが景気良く振れたのは、電源ラインなどからの
回り込みであり、不要輻射としての漏れはなんとかなると
目星がつきますが、3,395MHzの出力端子から無線機機に
直接入力すると、10.185MHzでオーバーS9の信号となり、
LPFなど対策は必須という現実を突きつけられます。

信号のラインに乗っかる3倍高調波は、前述した通り、受信時は
問題はなさ気なものの、送信側でMIXer段からドライブ段に抜けて
しまったら、以降のLCフィルタではほぼスルーなので送信時は
10.185MHzで切れ目なしの出っぱなしとなってしまいます。
抜けの量を極力ゼロに近づけなくてはいけません。

CarrierOSCの基本波は3.395MHzですから、チェビシェフLPFなら
カットオフを4MHz程度とし、10.185で-60dB以上を目指すと6素子、
-70dBなら7素子程度となります。
7素子はπ型ではLが3個、Cが4個ということで、これは入出力
インピーを50Ωで設計しても、1KΩで設計しても同様に
実現できます。
上の基本回路図の段数ではちょっと足りなかったですね。

前述したとおり入出力インピーを特定するのは困難なので、
実測による定数変更か、各素子を可変パラメータにして調整
するしかありませんが、調整方針は決定しているので、
それほど難しくないいと思われます。
LPFが挿入できたら測定器にかけてみますが、実用的には
FT-875のSメータがほぼ振らなくなった。。。でも良いと
思いますけどね。w

2倍はどぉよ??

さて、2倍の高調波の件ですが、3倍と一緒でCAR OSCの
出力先は検波回路ですから、電波としてよほど強く
輻射されないかぎり問題なさげですし、6.79MHzの漏れを
受信してもSメータの振れは3倍よりやや強いものの、
やっと確認できるくらいでした。
ラインに乗っかって送信のドライバーに抜けたとしても
ドライバーの出力同調回路は10MHz台ですから、3倍と
違ってスルーする量は少なく問題ないでしょう。

落とし穴

ではLPFで大丈夫なのか。。。
一つ懸念されるのは、先日作ったポストアンプはVFOと
CAR AMPを、1つのユニットに同居させてしてしまったので、
これは失敗ですね。
いくらシールドを厳重にしてLPFを入れても、高周波が
還流するグランドが同一ユニットで隣同士では、VFOの
バッファ側に抜ける可能性は十分あります。

結論として

回路も変わったしCAR OSC基板シールドの厳重化もあって
物理的な大きさがもう少し欲しいので、個別にして作り直し、
配置も離すことにます。
上は基本回路なので、回路図のように3極管ではなく
5極管のGGでもOKで、その際バイアスかけてAやAB1クラスとし
高調波に強い動作点を選ぶ変えることも視野に入れておきます。

このようにあまり大きな変更や面倒な対策をしなくとも、
なんとかなりそうな気配であります。@ホントカ?

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