フレネルゾーン

本日仕事先でフレネルゾーンとナイフエッジという
無線の伝搬に関することを質問されました。
これらはマイクロ多重の伝搬特性などでは必須ですが
身近なところでも知っておくと損はありません。
口での説明は意外と難しかったので、ここに
まとめてみました。
マンガがないので図で見たいかたは検索してみてください。

なお厳密には正確ではない説明がありますが、数式と図を
使用しないアバウトな説明であることをご了承下さい。

フレネルゾーン

無線通信の伝搬経路における仮想のエリアです。
エリアの形状は送受信アンテナ間に挟まれた
楕円形となります。
こんな仮想のエリアを考えてなにかイイことある?
あるんですね。@コレガ

感覚的には

5GHzの送信アンテナと受信アンテナが20m離れていたとします。
その間にはナ〜ンにもありませんので送信アンテナの裏側から
見ると受信アンテナは丸見えです。
ではその間に遮蔽板を置いてみます。
遮蔽板は送受信アンテナを結んだ直線から少しずらし、
ギリギリ受信アンテナの全体が見えるように置きます。
しかし受信した信号の強度は低下します。
ギリギリではなく直線から離すほど信号強度は上がります。
これは感覚的に理解できることと思います。

送信アンテナから出た電波は空間に拡散しながら、
受信アンテナに向かいますが、受信アンテナは直線的に
届いた電波だけではなく周囲の電波も拾います。
ですからアンテナ同士が隠れなくてもギリに置かれた
遮蔽板により信号強度は低下するのです。

つまり・・

伝搬路にある遮蔽物の影響を考慮するときのエリアが
フレネルゾーンになります。
 注意 
 周囲の電波も拾いますと書きましたが、アンテナの
 実効面積の話ではありません。
 フレーネルゾーンにアンテナ利得は関係しません。

フレネルゾーンの形状

フレネルゾーンはアンテナ間に引いた直線の中心を
膨らませた横長の楕円形ですが、左右の端っこの点は
アンテナ位置ではなく、λ/4だけ外側になります。

小難しい言い方をすると、アンテナ間を結ぶ直線を
中心にして広がる回転楕円体の空間、などと言います。
例えるとラグビーボールみたいな球体かな。

ではどのような楕円かと言うと、その楕円の円周上に
任意の点を取り、送信アンテナから直線を引き、更に
円周で反射したように受信アンテナまで直線を伸ばします。
円周上の任意の場所に点を打っても、その2線の長さの合計が
送受信アンテナの最短距離よりλ/2長くなるような点を繋げた
楕円になります。

どぉやって描く?

縮小して紙上に描いてみます。
楕円形においてアンテナ位置を焦点と言います。
焦点にピンを立て、それよりλ/2(x縮小分)長い糸を縛り付けます。
常に糸がピンと張った状態になるように、鉛筆で
引っ張りながら焦点を囲むように1周させれば完成です。
中学生あたりで教わったあのやり方ですね。
なぜ焦点よりλ/4ずつ長いのか納得がいくはずです。
(λ/2長い分が折り返されるため。)

正確に言うと
これを第1フレネルゾーンと言い、第1があるのだから
当然第2・第3・・・・があります。
しかし遮蔽物の考慮においては第1だけで十分であります。

見通し
マイクロ多重中継でパラボラアンテを山の上などに上げる時
よほど特殊でない限り見通しであることが条件です。
実は伝搬上で言う見通しは、見えているだけではダメで、
第1フレネルゾーンに遮蔽物がないことが条件になります。
焦点間の直線と障害物までの距離をクリアランスと言いますが
クリアランスは楕円の円周内にあっては見通しとは言わないのです。

実際にはどぉよ?
フレーネルゾーン内に遮蔽物があっても、ある程度までは
自由空間とあまり変わらない伝搬特性が得られます。
ある程度とはフレネルゾーン半径の60%が確保できる。。。
フレーネルゾーン半径とは、楕円の中心点から円周までの
垂直方向の距離のことです。

フレーネルゾーン半径(r)はどう計算する

r=SQRT((λxd1xd2)/(d1+d2))[m]
 
 d1 焦点1から遮蔽物までの距離
 d2 遮蔽物から(他方の)焦点2までの距離
  *周波数とアンテナ・遮蔽物の位置関係だけで
   決定します。@コレ大事
  *di・d2は円周上の任意の点に引いた2線とは違います。
  *焦点距離ですからλ/2長い分は無視します。

ここでは中心なので d1=d2(d1+d2=焦点間距離)となり
実際に計算してみると
5GHzでアンテナ間が20mの場合

r=SQRT((300÷5000)×10×10)/(20))
=0.547722558
約54cmになりました。

つまり5GHzの無線ルータと子機間にナニもなくても
ルータを床においた場合は床が遮蔽物になります。
理想的にはアンテナの部分が54cm以上、最低でも
60%の33cmは床より高いところに設置しましょうよ。。。
というお話なのです。

どぉでしょ、お得なお話になりましたか?

ナイフエッジは波動・回折・山岳回折利得などという
キーワードのとおり非常に興味深い現象ですが
フレネルゾーンよりは長くなるので次回にしましょ。

ところで帰りがけに通り道だったので評判のパン屋さんに
寄り食パンを購入。@無線ショップ店主へのお土産含む。
とんでもなく美味でした♪
その後第2事務所で無線機の修理をやっている方と
フレネルゾーンの話をしましたが、マイクロ関係の仕事も
やっている方なので詳しい詳しい。。。
この御仁と技術的なお話をすると話が通じてホっとします。
前にもご紹介したと思いますが、メーカーで修理の期限切れや
余して修理不可としたものを直しちゃうんですね。@スゴっ!
本物のプロと認める数少ない方です。

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