分流・倍率器

Q方式メータ回路

IPメータ

通常内部抵抗75Ω・500μA計をフルスケール
1Aとするときは、図右のように抵抗をパラって
分流回路としますが、0.0375Ωってのは特注か
自作でもしない限りありませんよね。
製作の初期当時はIpに耐えられる程度の
エナメル線を、数Ωの抵抗をボビン代わりにガラ巻きし、
1Aでフルスケールになるようにカット&トライ
したものですが、最近は図左のようにその辺に
転がっているメーターや抵抗で間に合うような方式を採用。

誤差が多少大きいのですが、Ipメータに必要な精度からして
まったく気になるようなものではありませんし、ようは
内部抵抗+シリーズの抵抗を1KΩに近づければよいのです。

図左で実際のIpが700mAだとすると、0.35V弱Epが
ドロップしますが、Epの数千Vに対し無視できる値です。

この方式はグリッドベタコンアースのGGアンプにおいて、
Igメータとしても使用できます。
フルスケール500mAにするなら、0.5Ωを1Ωに変更するだけです。

この回路はメーカ製でも採用されていますが、ヘンリーは
0.1Ωをパラっています。

0.1Ωをパラレルにするとき、1mA内部抵抗100Ωのメーターを
2A計にするなら、内部抵抗+シーリーズ抵抗を199.9Ωに
すればよいので、シリーズ抵抗は99.9Ωとなりますが、
100Ωでも誤差は針1本分の微々たるもの。
このように手持ちの部品をいくらでも流用できます。

要注意

内部抵抗と分流器の合成抵抗値における電圧ドロップは
バイアスとなるので、使用メータの都合で内部抵抗が大きいものは
合成抵抗も大きくなり、数ボルトのバイアスの影響が無視できないような
回路を採用している場合は要注意です。

HVメータ回路の注意

図はよく見かけるHVメータ回路です。

HVが5KV時にメータに500μA流れるように、合成抵抗値を
10MΩとしてあるのですが、図右がなぜNGかというと、
メータ内部で焼き切れた(主にコイル)場合などは、
グランドから浮くので、メータのプラス端子とグランド間に
たとえば電源電圧3KVなどの、電位差がモロに発生してしまう
ことになり、とても危険です。
抵抗1本ケチらなきゃ、安全を得ることができるということです。
Esgなどで300~1000V程度であっても同様ですので、図右はやめましょう。

図左では10kΩがパラに入っているために、メータが焼き切れた場合、
電源電圧が5KVであっても分圧され、プラス端子には5V弱しかかかりません。
パラレルにするときの抵抗値は、メータの内部抵抗よりは十分高く
シャント電流を無視でき、10MΩよりは十分低く分圧された電圧が
安全にな領域に入らなくてはいけません。
一般的な内部抵抗100Ω以下のメータ使用なら、10KΩ辺りが
最適ではと、拙生は勝手に思っているのですが。

拙生のようになんでもかんでも1mAとか500μAのメーターなど
手持ちの流用で済ませようとする場合は十分注意してください。

* メータ内部に分流器が組み込んである場合は、対策が
必要ない場合もあります。

 

* 1MΩを10シリーズで10MΩとしてあります。
  中学生の時に先輩から、小型抵抗の耐電圧は500Vと
  教わった記憶があり、現在の抵抗がそうであるのか
  定かではありませんが、高電圧用と謳っていない限り
  500V以上掛けないようにしています。