同軸ケーブル

拙生が長いQRTから再開局した際、技術に
長けていると信じていたあるOMに、50Ωの
同軸ケーブルより75Ωのほうが電圧が
高く発生するので、ロスが少ないと
教えられました。
なるほど理にかなっているのかなと思い、
ダイポールアンテナなどは5C2Vを採用し、
50:75Ωのマッチングをわざわざ作ったりしました。

しかし、遠~い遠~い昔学んだアンテナ理論で、
記憶の端っこに同軸ケーブルのインピーダンスは
どうして決まったのかということを教えられた
ということのみちょいとだけ残っていて、
なにか違和感を感じたので、機会があった時
本屋の立ち読みで思い出しました。

要約すると

d=同軸ケーブルの芯線直径
D=同軸ケーブル外部導体内径

であるならば

表皮効果により各々の近隣表面を流れる電流のロスが
一番少ない比が

d/D=0.2785

となり、この比は誘電体に影響を受けない。
ということです。

同軸ケーブルが世に現れた当初は絶縁体が主に
空気(比誘電率≒1)であったため、この比においての
インピーダンスは75Ωでしたが、形状に融通がきかず、
ロスの少ない柔軟性のあるポリエチレン(比誘電率≒2.2)が
絶縁体として使用されるようになったため、
特性インピーダンスが約50Ωになったわけです。

で、現在の75Ωケーブルは、最小ロスの比ではなく、
比誘電率2.2の絶縁体を用いた状態で、インピーダンスを
75Ωに保つために、内部導体径を50Ωより細くしています。
つまり芯線の表面積は小さくなり、更に最小ロスの
比でもなくなるので、ロスは50Ωのものより大きい
ってことですよね。
TVの受信ケーブルは75Ωですが、大電力を扱う
送信用ケーブルは50Ωであることを考えれば、
分かりそうなもんですよねぇ。

今なら現役から離れて長いこと経っているので、忘れても
言い訳できますが(?)現役に近かかった当時、すでに
こんな大事なことを忘れているなんて・・・
ただ
同軸ケーブル特性Z = 138/SQRT(ε/εo)* log (D/d)
だとか、
平行線特性Z= 277*log(2*D/d)
など、試験に出るようなものは今でも何となく覚えてる
って一体どぉいうこと。。?w
ストリップラインの計算は・・・忘れました。💦
(現在関連公式は表計算ソフトに放り込んであります。)

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