HighL・LowCなのにQが高い?

友人とアンテナなどの話をしていたときにあった大いなる勘違い。

:HighL-LowCは回路のQが低くLowL-HighCは高いんだよね?
拙生:アンプのπ型ネットワークなんかはそうだけどね。
:コイル入りの短縮アンテナって当然HighL-LowCだけど、帯域が
   狭いってことは回路Qが高いってこと?矛盾しているような・・
拙生:(思わず)惜しい!

つい惜しいと言ってしまったのは、古の頃拙生も同じことを
考えたことがあったからです。
しかしQ=ωL/Rであることを考えると、すぐになぞは解けますよね。
例えばその時に話題としていた10MHzのフルサイズダイポールを
計算したらL=13.4μH・C=18.4pF程度でした。
10.125MHzにおいてωLは852.47Ωですから、この数値を純抵抗分で
割り算したのが回路のQです。
この時の純抵抗分は61.041Ωなので、割り算すると13.97となります。

エレメント長を10.8mにしたときはC=17.6pFなので共振させるには
Lが14μH必要ですが、エレメントが短いために7.7μHしかありません。
残りの6.3μHをコイルで補うわけです。
つまりL=14μH・C=17.6pFで10MHzに共振していて確かにフルサイズより
確かにHighL-LowCではありますが、この時の純抵抗分が29.2Ωなのですよ。
ですからωLの890.64を29.2で割ってやるとQ=30.5となってしまいます。

このことにより短縮アンテナのバンドワイズは、フルサイズの半分以下
の45.8%になりますが、10Mみたいな狭いバンドではなんとかなるでしょう。
バンドワイズ331.8KHz/725KHzはこのQの比(13.79/30.5)そのまんまです。

     *ボトムローディング・1.6Φの裸銅線使用・地上高20mなどの条件で計算

アンテナって面白いですね。

         

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