今度はATTが来た
う〜ん、アッテネータ(ATT)の電話で長話に
なってしまいまました。。。
ATTを真面目に考えたことがないので、各抵抗に掛かる
電圧を計算して確かめたそうです。@ご苦労様です。w
すると入力/出力が50Ω/50Ωのよく見かけるATTでは
正解が出るのに、50Ω/100Ωだと計算が合わないらしぃ。。
そんなことありませんってば。
じゃあT型ATTでいってみましょうか。
— R1 –|– R3 —
R2
Zin 50Ω | Zout 50Ω
で、20dBATTとしてZinに50V掛けたら出力側には
電圧比ですから10分の1の5Vですよね。
その時の抵抗値はR1=R3=40.91Ω R2=10.1Ωです。
50Ωに50V掛けるのは計算しやすいからです。(笑
図1
20dBATT
a 9.09V
50V – 40.91Ω –|– 40.91Ω — b 5V
| 10.1Ω |
Zin 50Ω | Zout 50Ω
入力側から見ると40.91Ωに2つの抵抗と
Zoutの合成抵抗(インピー)がぶら下がっていて、
10.1に40.91とZoutの50Ωがパラに入っています。
この合成抵抗は9.09Ωなので+40.91で50Ωとなり、
入力から見てVSWRは1.0です。
入出力が一緒なので可逆性があり出力がわから
見ても同様です。
電圧は50Vとしたので計算しやすく、合成抵抗の
9.09Ωには9.09V掛かります。(a点)
40.9ΩとZoutで分圧されて5Vとなるわけです。
ここまでは一つを除いて正解でした。
これがZout100Ωとするだけで全く様相が変わります。
図2
20dBATT
a 13.3V
50V – 36.7Ω –|– 87.71Ω — b 5V
| 14.3Ω |
Zin 50Ω | Zout 100Ω
しかし計算してみると片端から透かして見える
インピーや出てくる電圧もちゃんと合ってます。
36.7Ωにぶら下がる合成抵抗は当然13.3Ωですから
50Vなら分圧されたものは13.3Vです。
友人が言うには87.7ΩとZout100Ωで13.3Vを
分圧したら7.08Vにならないかい?ですって。
いえいえ、5Vにしかなりませぬ。
そこで計算が合わない理由が判明しました。
ATTの出力電圧の計算は√(Zin/Zout)を乗算します。
50と100Ωなら7.08Vに√0.5を乗算して5Vになります。
入出力が50Ωで一緒なら√1=1なので、計算の仕方が
間違いでも結果は同じなので気が付かないだけと
いうことです。
入出力のインピーが違うATTは、減衰量によって
計算が成り立たない値があったりしますので
ATTとして成り立つ範囲に注意しなくてはいけません。
ま、この手のやつはあまり使うシーンはないでしょうけど。
電話はこれですまずπ型ATTにも及びましたが
各抵抗の耐電力のことで、内容は端折ります。
おもしろ情報として、例えばT型で計算して
消費電力が計算できたら、上記の図だと入力側の
左から右に行く順番でπ型も同じ電力を消費します。
図1の構成では左から40.91W・8.18W・0.41Wという
消費電力になり、これをπ型にすると抵抗値は左から
61.1Ω・247.5Ω・61.1Ωとなるのですが、
消費電力は並びで一緒なのですよ。
姿形や抵抗値が全く違うのに面白いですよね。
ATTの次は何が来るかな?(笑
参考 T型ATTの求め方
R1=R3=Zin x ((10^(L/20)-1))/((10^(L/20)+1)
R2=2Z x ((10^(L/20)/((10^(L/20)^2-1))
* Lは減衰量
π型でも10^(L/20)が頻繁に出てくるので
最初に計算しておいたほうが楽ちんです。
明日は朝から鉄塔撤去作業です。
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