DBM@AM変調

忙しかった昨年のご褒美に3日まで休みましたが
本日初仕事でした。

さて、AMのお話です。

誰かと一緒で何でも試してみたがる友人が7.195MHzで
パッシブなダイオードDBMによるAM変調にトライ。 
で、オーディオシンセで変調を掛けてDBMの後段につけた
J310パラのバッファ出力をオシロで見ながらマイクゲインを
調整して100%変調になるようにしたところ、モニターしてみると
思ったほど音がよろしくないという主旨の電話がありました。

話を聞いてみるとちょっとした間違いがありました。
それは周波数変換などでダイナミックレンジを取るために
使うDBMと同様な扱いをしていることです。
AMの100%変調時はキャリアの4倍(6dBアップ)となるため、
予定出力の6dB落ちでなくてはいけません。
更にDBMのIMD特性が良い出力は意外と低く、ものにもよりますが
-4dBmとか-10dBmとかで、仮に-4dBmが最良だとすると、キャリアの
出力(入力ではない)は更に6dB低い-10dBmでなくてはいけません。
DBMの出力を見ながら発振出力をATTの量で加減することになります。
AM変調波の場合IMDの悪化は音質の悪化に直結しますから。

電話の内容にはなかったことをちょっとだけ。
オーディオアンプの出力にはDCを重畳させます。
DCを重畳させて初めてAM波となります。
ですからDBMはDCを扱えるポートを使用しなくてはいけません。
他に必要帯域で抑えるためにオーディオ出力には3KHz程度が
カットオフのLPFが必要です。
友人の例の場合、キャリアレベルを下げるので、
オーディオ出力がそのままだと過変調になるため、
マイクゲイン等で100%変調を超えないように再調整します。

このように100%変調でも音質を考慮したDBMによるAM変調の
出力は0dBm以下ととても小さいので、バッファで10dBアンプしても
10mW以下のQRPPPです。
それ以降のドライバやファイナルはSSB並みのリニアリティを
要求される分苦労するはずです。
コレクタ変調などではC級アンプにしてもOKなので楽ちんですが、
苦労した分報われるのは、うまく作るとコレクタ変調とは
比較にならないほど音質が良いことでしょう。

友人のところではIMDを測定する環境がないため、とりあえず
ATT量を増やしてキャリアレベルを徐々に下げ、その都度
100%変調になるようにして音質が良くなるところを探すように
アドバイスしておきました。
きっとそのうち持ち込まれるでしょうけど。。。
そう言えばスペアナの1台がロック外れでタコ踊りしてます。
もう1台あるけどスペックは上なので、持ち込まれる前に
校正しておかなきゃね。

ところで拙生も一通りはDBMによるAM変調を試してみました。
以前お試ししたパッシブなDBMはISS43での自作のものと
CB303M4というメーカ製でしたが、AM変調にはポート間の
アイソレーションがさほど重要でないのか、最適出力が
違うだけで音質(IMD)に大差はありませんでした。
CB303M4はアイソレーションを取るためにダイオードを8本、
つまり2シリーズにしいるためONにする電圧が2倍になります。
低歪ミキサーとしてLoに+20dBm以上入れるような場合には
適しているかもしれませんが、低いレベルではISS43x4で
十分なのだと思います。
キャリアレベルが低くて良いので2SC1815の発振出力に
3dBATTくらいがベストでした。
バッファを2SC1815のプッシュプルにしましたが、出力は
5dBm程度で音質はグッドでした。
拙生にとって1815PPはトレンドとなっています。w

ちなみにアクティブなDBM(NE602)では100%変調が掛かったと
言うだけで思ったより音質が良くないまま止まってます。
内蔵発振回路やアンプで楽チンできるはずだったのですが、
内蔵故にレベルのコントロールが面倒なのです。。。

そろそろオネンネの時間です。

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