入力はLPF

かなり前から友人がリニアアンプの入力回路に
苦戦していて、一度見て欲しいと頼まれていたのですが
ビンヒマ状態が延々と続き放置状態でした。
で、本日ついにお怒りの連絡が。。。

仕方がないので行ってみました。
電話で聞く限りマルチバンドを切り替えずにLPFで
やっていて、球の入力容量に合わせてπ型のチェビシェフ
3素子で作ったのですが、どぉやら球の入力Zの
レジスタンスが100Ω程度であることを失念していたようで、
入力容量と同値のCとしてしまい、Lだけを調整して
VSWRが2以下に下がらないと頑張っていたようです。

そこで球の特性から下調べをしてちょっとした
お試しをやってからお邪魔しました。
カットオフは30MHzで、ローバンドの2倍や3倍の
ハーモニックスには全く意味をなさないため
広帯域でフラットなインピー合わせのみに
着目すれば良いのですが、そこは習慣というか
こだわりで、50Ωよりインピーが高い場合は
T型にしちゃいます。
出力側は100Ωの酸金抵抗にトリマCを抱かして
予め球の入力容量に調整しておきます。
後は30MHz以下の周波数で広域にVSWRが下がるように
VCとコイルの伸び縮みで粗調整したものを持参しました。

事前調整中の写真

 計算上では入力側コイルは0.47μH、Cは60pF程度(100pFVCで調整)
 球側コイルは入力側と同じ撒き数にして伸び縮みで調整


  負荷は100Ω酸金抵抗に50pFトリマC

入力回路を持参したモノに交換した結果はチョチョっと
いじっただけで見事全てのバンドでVSWRが1.05〜1.7であり
ベタ落ちとはなりませんでしたが、とりあえずはエキサイタの
チューナーでなんとかなる範囲に収まりメデタシメデタシとなりました。
後の細かな調整はゆっくりやってもらうこととして退散しました。

アンプに限らず本体にいきなり組み込む前に単体で稼働させてみて
不具合の確認や予めの粗調整は必須であると思います。
今回は回路的には簡単なものでしたが、調整が取れるかどうか
事前にお試ししておかないと友人のように穴ボコにハマります。
粗調整といえども動作環境を見越した負荷にすることを工夫すれば
かなりの精度で調整ができるはずです。

実は後2件相談を受けています。
1つ目は3極管のバイアスが旨くいかない。
もう1つは4極管の抵抗受けですが、エキサイタが非力マシーンで
50Ω受けではまったく押しきれず、入力の抵抗値を450Ωに
持ち上げたらハイバンドでパラ止が昇天しちゃうというもの。
1つ目は検討中ですが、2つ目は配置等の問題でしょうから
作り変え・・・でしょうかね。。。
それが嫌ならエキサイタを5W機から100w機に交換して50Ωに戻すのが
手っ取り早いでしょう。w

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