CMカプラにご指摘が

日曜日の残作業は昨日の空いた時間に
片付けてきました。

さて、友人でもあり同業者で時々一緒に仕事を
することもある御仁からのご指摘です。

CMカプラってLは電流、Cは電圧を
ピックアップするんでしょ?
はいはい、そのとおりです。

インピーダンスが高すぎてピックアップ量が
減るってCは電圧の方だからおかしくない?
はいはい、舌足らずでごめんなさいね。
Lの方は伝送トランスだから巻数比によって
インピーダンスは一定だけれどCはそうじゃ
ないことを言っています。

つまり進行も反射そうですが、Lは負荷を含めて
流れる電流で一定ですが、Cによってピックアップ
された電圧により負荷に流れ込む電流がf特を持つ
という意味です。

でもCはf特補正のように書いているじゃないか。
とも言われました。
実はそのf特補正のCの部分と後のCMカプラの
部分は単なるピックアップと方向性結合の
分離した話になります。
f補正の話のCはストリップラインにより形成された
容量を想定した話であり、舌っ足らずだとわかりづらい
ですよね。@スンマソン

CMカプラの場合のf特は宿命であり、周波数によるCの
インピーが変化しても、測定周波数帯域内において
50Ω負荷が無視できるような十分に高いインピーであり、
L結合によるピックアップとのバランスが取れていて
方結として機能する範囲であればf特が良好と言える
とは思います。

メーカ製のよく出来た方結を見るとHF〜270MHz程度が
ボーダーのようですが、自作だと基板上ストリップラインの
カット&トライなど、膨大な実験時間が必要になるでしょう。

スペアナで観測してどの周波数でも同一レベルで
検出できるのは抵抗分岐の高周波プローブですが
これはダミー負荷の場合であって、反射が立っていると
確実に合算してしまいます。

最高周波数はインピーが乱れない程度、
最低周波数はLとのピックアップ量のバランス、
これらを妥協できる定数であれば方結として
使えるわけで、CMカプラの持つ宿命的な
f特はイカンともしがたいというのが前提です。

他にもいろいろ言われてしまいましたが、
書き方の問題で言っていることは同意である
ことをほぼ納得してもらうことができました。

仕事の仲間はプロだらけなので、完璧な
言い方でないと納得してもらえないことが多く
ま、図も計算式もなしで、性格上端折って
書いてしまうため、こういったご指摘は
しょっちゅう受けることになります。

唯一補足説明しても言葉だけでは納得して
もらえなかったのはこの下り。

>CMカプラの場合進行波と反射波の合算された
>ものを見てしまう可能性大だからです。

CMカプラはCとLでピックアップした電圧と
電流を方向性持って負荷に流し、進行と反射を
分離する仕組みですから、合算されるのは変だと
思われてもしかたのない書き方ですね。
これは製作精度等による自身の持つリアクタンス成分が
入出力のポートで異なったような場合、
バランスが崩れて「場合によっては」両者の合算を
見ることになる、ということを書きたかったわけで
それに加えて基本波と高調波のf特を絡ませて
しかも端折って書いたため、読み返すと確かに
自分だけが納得できても他人様には分からない
と思います。

これだけはマンガを書いて入出力のポート間
アイソレーションと、入力ポートのインピー
(例えば45+j5Ω)と出力ポートのインピー
(例えば55-j10Ω)の時の位相バランス崩れに
などよる方向性出力について説明しましたが
数式が飛び交い始めた当たりで時間切れとなり
決着は次回に持ち越しとなりました。(笑

いつでも大歓迎とまでは言いませんが拙生も
嫌いじゃないのでこういった話を延々と続ける
ことはまったく問題ありません。w

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