入力回路用ボビン

入力側のマッチングに使うコイル用
コア入りタイトボビンが9個とコアなしが
1個になりました。
一応全部コイルが巻かさっていますので
インダクタンスの最大・最小を測定。
測定値をボビンに書き込んでおきました。

例えば写真の左端のコイル。
コアの上下で0.13〜0.215μHが可変範囲です。
線材の直径や造りがしっかりしているので
巻き替えないでそのまま使うとします。

50.075MHzでパイマッチ回路計算してみましょ。
50Mで出る範囲は下のCWと50.1近辺だけというなら
Qは多少高くても良いのでしょうが、Qが高いと
インダクタンスはもっと小さくなければなりません。
で、調整のことも考えてQ=1.3程度しておくと良いでしょう。
Q=1.3なら最小インダクタンスの0.13μHで34Ω、
最大の0.215μHで120Ωの入力Zに対応します。
大体はこの範囲でOKですよね。
ちなみにこの時のC1は83pF、C2は入力Zによりますが
34Ωで85pF、120Ωで62pFとなり、実際にはこれらの
値から入力容量や配線などの引き回しによる寄生容量を
差っ引いたものを実装することになります。

例えば3CX1500A7なら入力容量の38.5pFと寄生容量で
仮に40pFだとしたら、22〜45pFの範囲を可変できる
トリマVCやミゼットVCがあれば、それらとコア位置の
調整で34〜120Ωの入力インピーにマッチングが取れる
ことになります。

このように拙生は入力のπ回路は必ず可変パラメータを
2つとしてマッチングをとります。
コアだけでの調整ではマッチングという理屈に合って
いないので簡易的というよりは邪道だと思っています。
コアなしのボビンはどぉするって?
勿論C1とC2を可変とします。

ちなみに今までのお話はπマッチですが、基本的に
拙生はLCLのTマッチを好みます。
L1は計算で出たものをトロイダルコアに巻き、L2とCは
可変とするので、L2はコア入りボビン、Cは固定Cと
トリマVCのかミゼットVCのような組み合わせにします。
 今更ですがかなりの確度でインダクタンスが予測できる
 トロイダルコアってすごいですよね。

理由
昔はファイナルが真空管で今の機械より格段に
スプリアスが多く、しかもチュニングのとり方一つで
2ndハーモが10dBも違ってしまう始末でした。
どんなチュニングかって?
パワー計しか見ないでとにかくプレートとロードVCを
最大パワーに調整したりするとそぉなっちゃいますね。
覚えがある方いらっしゃいませんか?ww
高調波の観測をしながらチュニングをとるとすると、
ロードVCの容量を大きいところから始めて、プレートVCを
Ipがディップするように調整。
Ipの規定値(設計値)をちょっと上回るまでロードを抜く。
再度プレートVCでディプさせる。
これを繰り返してデップした点がその機械の規定値でやめる。
決してパワー計をもっと振らせられるからと深追いしない。
(最大パワーのから10%くらい下がった位置かな。)
ま、こんなところでしょうか。
それでもキョウビの機械と比較するとスプリアス特性は
情けないものでした。

高調波に関してはπよりはT型のほうが格段に有利です。
インピー合わせだけならどちらでも構いませんが、
スプリアスのことを考えるとT型に軍配が上がります。
直列素子としてコイルが2つ入っているからですが
それにより入りと出のアイソレーションも良いため、
アンプ側の入力インピーの変動(SSBなど)に対し
エキサイタに優しいと言えます。

で、好んでT型を使っていたのですが、ま、キョウビのアンテナ
チューナー内蔵でスプリアス特性も良い機械をエキサイタにした場合
πよりも工作が面倒なT型をあえて使うこともないのでしょうが、
昔ながらの慣習から、モノバンダーなどで特に入力インピーが
50Ω以上の場合はT型にしています。
以前ポストしたGU-74Bの6mアンプも回路図はπになっていますが、
最終的にはT型が実装されています。
これもポストしたことのある10MHzπがた入力回路も
LCLのT型で実験しなおしています。

今回は在庫のタイトボビンを1個加えて11バンドとし、
無謀にも1.9〜50MHz(3.5/3.8か28/29に分ける)に
チャレンジするので工作を簡略化するためにπ型を採用します。

π型やLCLのT型はQが1.5・2・3・4で30Ω〜150Ωの
入力インピーに対応するためにはどのくらいの可変範囲が
必要か表にしてあるのでいちいち計算する必要はありません。
ちなみにいちいちT型だけLCLと付するのは、CLCはアンテナ
のマッチングには使いますがアンプの入力回路には使わない
からです。

 注 Q=1などにした場合、アンプの入力インピーによっては
   計算が成り立たない場合が出てきますが、インピーダンス
   マッチングとして機能しなくなるという意味です。

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