どこまでテキトウに作れるか。。。

移動運用先でローバンドのリクエストが多かったり
すると即席アンテナを作ることがあります。
車には流用できる2mm程度の被覆線は100m単位で
積んであることが殆どで、43系のトロイダルコアも
常に持って歩いていますから、給電部の細工も
チョチョっとできちゃいます。
勿論アンテナアナライザー(デリカ)も常備しています。

即席で作ったCMFと某メーカのモノマネで作った
リニアバランが物置にあったバックの中から出てきました。


        バッグから出てきたもの達

リニアバランはKW局がコンテスト中にローバンドDPの
バランをぶっ飛ばしたというヘルプ信号を走行中に
受けてすぐに駆けつけて、FT-240に同軸ケーブルと
アース線を巻きつけたもの。
CMF(バイファイラ巻)の一つは移動運用中のリクエストで
7MHzの傾斜型DPを張り、FT-240に同軸ケーブルを巻きつけ
給電部としたもの。
もうひとつはパソコンから外したコアを10個同軸ケーブルに
通しただけで、10MHzGPを即席で作った時に給電部に入れたもの
だったと思います。

それらを使用した時はなんの不具合もなく運用しましたが
FT-240に巻いた5D-FBや8D-FBはどぉ見てもコアに
密着しておらず隙間が丸見えであります。
果たしてこんなもんでどの程度働いているのか
コアの再利用でバラす前にちょいと測定してみました。

まずはリニアバラン。
巻き数が少ないのと耐電力を稼ぐために2個重ねにしたのが
良かったのかトップバンドでもなんとか使えそうです。
一応使用した3.5MHzで測定したところ、VSWRは勿論1.0で
バランスは電圧で見ると針1本分も違わないので1:0.999
くらいでしょうか。
負荷とした25Ω-25Ωの中点からワニグチクリップで同軸
ケーブルのコネクタへショートさせたり外したりしてみましたが
VSWRのメータの針はピクリとも動かないのでそれなりの
バランスは取れているようであります。
で、高い方周波数は10mまでは使えますが40MHzあたりから
VSWRが上がってきて50MHzではVSWRが1.15になりましたが
バランスはまだ取れています。
こんな適当な作りでも結構使えることに驚いてしまいました。

ついでにバイファイラ巻きも測定してみました。
測定方法はリニアバランと一緒で25Ω-25Ωの中点を
同軸ケーブルのコネクタとショートし各両端の電圧を測ります。
FT-240×1にD-FBに巻きつけたものは流石に巻き数が
少ないためか、7MHzでは電圧が1:0.95でありました。
8DFBを10個のコアにクグしたものは1:0.97とFT-240より
良好なバランスを示しました。
FT-240では5Dあたりでもっと密着させて巻き数を稼げば
良好な値が出たはずですが、ちょうどその時に8Dしか積んで
いなかったというだけの話であります。

ただし巻き数が少ない分高い周波数では使えるようで
10MHzでは両者とも1:0.98程度のバランスとなり、14〜
30MHzでは1:0.985となりました。
やはりどちらも6mではVSWRが1.2近くなり38MHzが
限度のようです。
6mでVSWRが上昇してくるのはメーカ製バランでも同様なので、
即席でかなり適当に作ってもなんとか使えるということが
分かりました。

でも恒久的に使うものを作るなら、ちゃんとテフロン同軸と
テフロン線やリッツ線を使って作るのがベストなことは
言うまでもありません。

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