h型アンテナ

一昨日のポストで

センタフィード垂直DPの一番難しいところは垂直
エレメントからの輻射に影響を与えない同軸ケーブルの
引き回し。。。伝伝。。。

と書いたのですが、友人がエレメントを同軸ケーブルに
沿わせればh型アンテナとして働くのでは?と言うので
簡単な反論だけしておきましたが納得していなかったようです。
またコメントに対する回答にもなりそうなのでそのへんについて
多少書いておきます。

h型アンテナとはスリーブアンテナの簡易型のようなもので、
線1本でスリーブの代替にしたものです。
つまり同軸ケーブルに垂直DPの片側のエレメントを添わせた
ものがそれに当たるのでは?というのが友人の言い分です。

h型アンテナは非常にシンプルなので無線LANや業務無線
等にも使われているアンテナですが、V/UならともかくHFでは
難しいアンテナの一つです。
沿わせるエレメントと同軸ケーブルの外部導体との間隔が狭いと
外部導体へ誘起する電流が大きくなり、定在波アンテナとして
成り立たたなくなってしまうからです。
定在波アンテナとならない=共振しないということですね。
これはスリーブアンテナでも同じことが言えます。

業務用のスリーブアンテナやh型アンテナを眺めてみてください。
スリーブは結構太い同軸円管が付いているし、h型アンテナは
結構間隔が開いています。
以前430で試したところアンテナとして働き始めるのはλ/70
くらいからで、最低でもλ/50くらいの間隔は欲しいところです。
もっと狭くてもVSWRはある程度下がり使用可能範囲に見えますが
電測計のメーターが大きな数値を表示することはありません。

17cmほど同軸ケーブルのシースを剥いて芯線を垂直エレメントとし、
外部導体の網線を折り返してスリーブとする即席アンテナにおいて
折り返した網線をあまりしごかずにしておくと上手くいったのに
ビニテなどでシースにきつく巻きつけるとさっぱり。。。
なんてのはこれが理由です。

固定ページの移動運用(無線系)にポストした10mのアンテナは
同軸ケーブルとエレメントを這わせた格好がBESTと書きましたが
これはコアで切っているからで、コアなしの同軸ケーブルのみだと
まったくアンテナの体を成しません。
業務スリーブアンテナではスリーブを2段設けてコアチョークの
代わりとすることで逃げていますね。

ところで10.125MHzにおけるλ/50は60cmですよね。WW
ですから同軸ケーブルと平行するエレメントは少なくとも
50〜60cmは離れていないとまともなアンテナとして
動作しないということになります。

コアで切るにしてもグラスロッドの中間より上の細い部分に
大きなコアか小さければ複数のコアが必要になるので
ロー・ミッドバンドでは現実的ではありません。

時間的に舌っ足らずの反論でしたがここまで書いたら
難しいと言った理由は分かってもらえたでしょうか。

これらのことを踏まえてご紹介した200Ω入力アンテナを
考えると、構造的にエレメントと同軸ケーブルを分離できるため
非常に扱いやすいアンテナであると言えるでしょう。

ちなみに

変に中途半端にやるならスリーブ
アンテナのほうがずっとスマートでしょう。

とも書きましたが、考えたら電気的にはスマートでも
エレメント6〜8本を直径1m以上のショートリングで何ヶ所か
ショートしてゲージ状にすると見た目はちっともスマートでは
ありませんよね。
あまり考えずに書いてしまいました。。。^^;;
構造的にはこれも現実的ではありませんね。

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