長いグラスロッドさえあれば・・・

昨日はGP(もどき)が候補と書きましたが。。。実は
移動運用時垂直系でよく飛んだアンテナがありそれも
選択肢の中に入っています。
再現性がλ/4GPほど良くなく今まで出し惜しみ
しちゃってましたがここに晒すことにします。w

ブラウンアンテナの欠点はラジアルが水平の時に
打ち上げ角が一番下がるというところにあります。
斜めに引き下ろせばステー代わりになる、またはステーに
沿わせることができることと50Ωにマッチングが取れるという
メリットはありますが、打ち上げ角は高くなってしまいます。

では打ち上げ角を低くするためにラジアルを水平に張るには
どぉすべきかということを芯に据えて考えていたのですが
最初は垂直エレメントを長くラジアルを短くして50Ωの
点を探せば一挙両得作戦です。
しかし50Ωではまだまだラジアルは長いままです。
(3m高で2本だと5m強)

ラジアルをもっと短くする=垂直エレメントが長くなる
もうGPではなく下側エレメントにキャパシティハットを
つけたオフセンターフフイードの垂直ダイポールですね。

じゃあ面倒なことしないでフルサイズの垂直DPを張れば
いいじゃん、などと簡単に言わないでください。
18mグラスロッドでも手に入れれば張ることはできますが
センタフィード垂直DPの一番難しいところは垂直
エレメントからの輻射に影響を与えない同軸ケーブルの
引き回しであり、変に中途半端にやるならスリーブ
アンテナのほうがずっとスマートでしょう。

出し惜しみしたアンテナとは垂直エレメントを12m程度とし
1.8m程度のラジアルライクな水平エレメントを2本つけた
もので、入力Zは200Ω前後となるため(200Ωの位置を
探した結果)1:4のインピー変換で給電できるというものです。

1本1.8mならグラス製の釣り竿やコンポーズパイプなどで
水辺に形状を保つが出来ます。
それにより最下部からの給電となり垂直に引き下ろす
同軸ケーブルの影響も全くありません。
1:4インピーダンス変換とアイソレーションを取るための
コモンモードチョークは共にFT-240バイフィイラ巻
としましたがグラスロッドの太い部分に取り付けられ、
また低い位置の給電でも電流の腹は高いところにあるため、
構造的にも電気的にも理想的であると考えます。
また長いラジアルやステーを横に展開しない形状は移動運用場所を
選びません。
勿論単管を埋め込む場合は地主さんの許可取れる場所に限定されます。
グラスロッドのみでステーなしに固定するためによくやる手は
下はブロックの穴で横に逃げないようにし、車のルーフキャリアの
横に突き出た部分に括りつける方法です。

給電点高を3mも上げれば打ち上げ角は20度ちょっとであり、
これは水平偏波のアンテナではあり得ませんよね。

問題は12mの垂直エレメントが張れて、更に水平のエレメントが
ある程度の高さになるようなグラスロッドを用意できるか否か
というところにあります。

拙生は18mのグラスロッドはまだ未入手であり10mものしか
ないので、それに5.4mの細身のグラス製釣り竿を括りつけ
全長14.5mにしました。
移動運用では3mの足場単管を1mほど叩き込み、グラスロッドを
地上高1mのところに取り付けたので最上部の高さは15.5m、
ラジアル位置は3.5m高程度になりました。
10mの屋上にあげて使ってみると、給電点15m高の水平DPより
受信の際のノイズが若干多いものの飛び受け共ずっとFBです。
計量はしていませんがグラスロッド+釣り竿+コンポーズパイプ
+1.6mm+FT-240×2+(軽くするために)3D-2V+エレメントにする
銅線すべてを合わせてもなんとか一人で持ち上げられる重量です。

シミュレーションではそんなに差がないはずなのに実際の
使用感はλ/4GPより格段にFBなアンテナになりました
勿論FBなロケーションを選んでのQRVでしたが、50Wモービル機で
小さなパイルアップならそこそこ抜けていましたしCQの応答率も
悪くありませんでした。
垂直系はノイズが心配でしたが、コモンモードフィルタが効いて
SSBフィルターで聴くと常時S3〜4程度でしたのでナローにすると
ほとんど問題なく使用できました。
勿論これは運用する場所の環境に大きく左右されます。

このアンテナでは移動運用が数度、まだビームが上がっていない時に
クラブ局設置場所の屋上に設置して150局位は遊んだと思います。
自作のQRP運用ではぜひ使ってみたいアンテナです。
18mのグラスロッドがあれば設営ももっと簡単でしょうね。

ちなみにFT-240#43は手持ちにあったので使いましたが重たいので
移動運用の50Wまでなら114#43クラスでも十分でしょう。

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6件のフィードバック

  1. OQQ より:

    土日二日連続のANT記事、移動用の解説も加わって、読み応えがありました。先日のトリフロー、手に入りました。電鍵の接点に使ってもよろしいのでしょうか。手持ちの(悪質)接点復活材にはリレー接点には使わないようにという記載がありましたので、お教えください。

  2. Qsaku より:

    トリフローはエレキーのマニピュレータに使用して好結果を
    得ていますが基本的には潤滑剤なので吹きかけて数分間
    放置してから拭きとっています。
    拭き取りはティッシュペーパなどでOKですが、その後に
    紙を挟み千切れない程度の圧を掛けて紙を引き抜きます。
    この時の紙は支払い後にもらうレシートが良いです。
    名前は失念してしまいましたが接点を復活させる成分が
    入っているらしく、パソコンのUSB端子の接触不良などに
    有効であります。
    試してはいませんがマニピュレータで効果があるので
    縦ブレでも同様かと思います。

    ご紹介したアンテナについては更にオマケがあり、
    まさに今ポストしようと書いております。
    OQQさんには縁のないアンテナかもしれませんが、
    アパマンハムの方には使い勝手が良いと思います。

    • OQQ より:

      ありがとうございました。ANTのお話、興味あります、と言いましょうか、ANTの話ならば何とかついていけるかなー、ということなのですが‣・  垂直DPを18mのグラスロッドにつりさげたのですが、SWRが下がらず、そのままIVにして使っております。 地面の影響というものがあったんですね。Oba-Qさんの記事を読んで、そうだったのかぁ、そんなレベルです。でも、失敗してもこの世界はたのしいですね。恥ずかしながら70の手習いをやっております。

  3. Qsaku より:

    地面の影響もありますが同軸ケーブルとエレメントの
    位置関係が支配的になります。
    そのへんについては近いうちに書いてみましょう。

    • OQQ より:

      水平DPと比較した場合の打ち上げ角についてもお教えください。10メガに限定していただいても結構です。CQ出版のANT関連書物などは読んでおりますが、そのとおりに垂直系ANTを作ってみても、記事通りの結果にならなくて「本当かなあ」と疑問に思っている次第です。前述の垂直DPもエレメント長も自作記事の通りにし、1:1の通常のバランで給電したのですが、ダメでした。同軸はカウンターポイズのように、5mほど水平に引っ張ってみたのですが、変わりませんでした。
      難しいですね、素人はDPを使えということろでしょうか(笑)

  4. Qsaku より:

    まずは何が記事通りにいかないのかですね。

    ・共振
    ・インピーダンス
    ・飛び受け

    また条件を詳しく知る必要があります。

    ・18mグラスロッドは地面から建てられているのか。
     または屋根の上?
    ・グラスロッドはパイプなどで持ち上がっているか
     上がっているならどのくらい?
    ・TVアンテナなどが近距離にないか。
    ・タワーとの距離。
    ・エレメントの材質・直径・長さ
    ・エレメントは単線か?
    ・バランはリニアバラン?
    ・垂直系で使ったバランは現在IVに使っているものと
     同じであるか。(バラン不調という要因の排除)

    ここで書くと大変なのでMail me!でお知らせ
    いただければある程度の判断はできるかと思います。

    ちなみに10.125MHzアンテナの打ち上げ角は

    18m高
      水平DP   22度
        120度IV  23.5度
        90度IV   24.5度
        
    給電部11m高垂直DP 18.5度

    理想的に上げた場合で環境により変動はあります。
    ただし水平系では真上に多くのエネルギーが拡散しており、
    垂直DPは真上にはほとんど輻射されませんので打ち上げ角
    だけでは判断できません。
    パターンで言うとDXへの有効成分は垂直DPが格段に
    勝ります。

    おっしゃるとおり垂直DPは意外と難しいのですよ。(笑

    明日は5時半起きで留萌まで走るのでこれにて就寝です。