金皮抵抗は逆さまに・・・

金皮の100Ωを大量に見つけました。
パッケージに表記がなく、購入した時には
覚えていたであろうワテージは分かりませんが、
DIA9mm・L15mmなので3Wでしょう。

で、リニアの過大入力防止に使えないかと思いつきました。
検査時に特別な理由がない限り、エキサイタのパワーは
マキシマムにすることとなり、50Ω抵抗受けグリッド入力の
GU-74Bには過大入力となるので、100Wをどのように処理するか
と言うことです。

試験では25WあればOKだったので、50Ωに25Wなら、50Wに
25Ωでも同じ電圧ドライブとなります。(E=√(PR))
つまり25Ωをシリーズにして50Ωとし、エキサイタから100Wを受けます。
中点とグリッドを接続すれば、グリッド側から見ると、25Ωで半分こになった
50Wなので、50Ωに25Wと同じ電圧でドライブされるというわけです。

ではワッテージを考えてどのような組み合わせが良いでしょう。
中点とグランド間(ドライブ電圧発生用)はすでにグリッドに
ぶら下がっている既存の50Ωの無誘導抵抗を活かせば、同じ50Ωを
パラにして25Ωであり、消費電力は100Wの半分の半分で25Wです。
エキサイタからに入力を最初に受ける25Ωは、当然半分の
50Wを受け持つことになります。

SSBやCWのデューティや、シロッコファンからの強制空冷を
もろに受ける設置場所であることを考えると、かなり下回る
ワッテージでも大丈夫なのでしょうが、一応50Ω25Wは
4パラ2シリーズで8個を使い24Wを確保します。
(既存の50Ω無誘導抵抗は100WでもOK)
25Ωは8パラ2シリーズで48Wならまったく問題ないでしょう。

と言っても問題ないのはワッテージで、大量の抵抗を
パラシリーズにした場合、周波数特性の高域での悪化が
予想されます。

ということで早速お試しを。
まず4px2S=8の50Ωをアンテナアナライザ(Zメータ)で見ると
29MHzで48Ω、VSWR1.04ちょっとです。
(シビアでないのであえてアマチュアの測定器で測ります。)
これに無誘導抵抗をパラって25Ωとし、さらに8px2s=16の
25Ωをシリーズにして50Ωにします。
流石にテスタで測ると(直流的には)50Ωぴったりです。
Zメーターでは29MHzで43Ωとなり、VSWR=1.16程度です。
10MHz以下ではほぼ1.0となります。

以前100Ω5Wの金皮4px2sで簡易ダミーを作ったときは、
28MHzでも1.05だったんですけどね。。。。
それよりも組み合わせが多いから仕方がないか、なんて
思っているうちに見つけました。自身のドジを・・・

よく見ると抵抗の1列が隣接の列と逆さまにつけていません。
金属皮膜固定抵抗(正式名称)はセラミックの表面を金属皮膜で覆い、
希望の抵抗値とするために螺旋状に溝を切ります。
これはまさに性能が悪い(Qが低い)コイルそのものです。
更にインダクターである以上、当然自己共振周波数も持ちます。
特にハイバンドにおいて隣接した抵抗を逆向きにしておくと、
コイルの巻き方(ピッチのムラ等)が互い違いになるり、
その影響を少しでも軽減できる、というテクニック・・・
(最初は巻き方と書くつもりで巻き方向と書いてしまいました。
 逆さでも巻き方向は変わりませんよね。
 頭では分かっているのについ書いてしまう・・・
 注意散漫集中力希薄茫然唖然自身反省・・・)

どぉして間違えたか・・・ちょいと言い訳を。
ここまできちんと読んでくれた方はすでにお気づきだと思いますが、
ヒントは金皮・100Ω・カラーコード、この3つです。

そぉなんです。
100Ωのカラーコードは【茶・黒・黒・黒・茶】。
逆から読んでも【茶・黒・黒・黒・茶】。(笑笑笑)
実際にはペイントしてある位置や太さ、色の濃淡に若干の違いがあり、
普通なら分かるのですが、大量の同じ抵抗の処理だったので
注意が行き届かなかったようです。

早速あっぺこっぺの配置に直したところ、VSWRは見事に1.06と
なりましたので、気分的にスッキリしました。
若干のリアクタンス成分があっても、エキサイタはチューナー付だし、
球の入力側もインダクターを挿入するして入力容量をキャンセル
するくらいなので問題はないのですが。

後はお試しした形状のまま、ソケット付近に押し込められるか
どうかにかかっています。

ハイバンド(24と28)で若干不安定動作でしたが、原因が構造的な
問題によるフィードバックだとしたら、グリッドの入力インピーが
半分に下がることで安定してくれる可能性も大いに期待できそうです。

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