送信しっぱなし!?
連れ合いが函館方面出張から帰ったのと
入れ替えに七飯に行ってきました。
約300Kmのうち280Kmは高速なので運転は
さほど苦にはなりません。
雨模様でしたがフロントガラスの撥水加工が
カッチリ効いていてノーワイパーでした。(笑
さて、調査したところ障害は珍しいものでした。
障害内容
特定の子局から無線を通して送られてくるはずの
データーがこない。
情報
・他の子局は正常。
・無線の予備を差し替えてみても同じ。
・マイクによる通話をしようとしても
親局からの電波が受信できない
これだけで考えるとアンテナが悪いか
妨害電波などで受信しないか。。程度の
考えは浮かびます。
作業
まずは順番に切り分けるために親局の
送信系を測定するが問題なし。
次に子局のアンテナと受信部。
アンテナは50Ω±ほぼ0で問題なし。
このテレメータはアンテナ柱の中間に
ステージがあり、そこに設置されているため
測定機類を持ち上げることは困難で、
受信部のユニットを引っこ抜いて車中で測定します。
ユニットだけでは操作できないので、そのために
製作した治具とインバーターが久しぶりに活躍。
測定した結果は・・・
受信機は感度・局発周波数・S/N・歪・標準変調
出力等々、前回の定期保守点検時とほぼ同じ
測定値で問題ないのです。。。?
原因
で、情報の中で1つ気になったことがありました。
予備の送信ユニットに差し替えたら着信のランプが
点灯しっぱなしになった・・・
送信機で着信ランプ?
きっと受信機の間違いだろうと訂正も求めずに
外来からの妨害電波の可能性を考えたのですが・・・
受信ユニットを引っ剥がすときにふと思い出し、
もしや送信しっぱなし?そんなことないよなぁ、
なんて思いつつも一応送信ユニットも外して
おいたので測定してみると・・
なんと大当たり!電源を入れるとPTTに関係なく
送信しちゃうではありませんか。^^;;
PTTオン時は規定出力、PTTオフ時は数10mWですが
ここは単信なので受信ユニットのすぐ隣で
受信周波数と同じ電波を出されちゃ、親局からの
信号に対して妨害電波となってしまいます。。
しかし情報は予備機と交換したら・・・でした。
ならばとお預かりしてきた予備機を測定してみると
なんと電源を入れた途端、今度はPTTオフなのに
規定の出力がまともに出てきてしまいます。(驚!
現用機の場合は親局から送られてくるデータに
影響を与える程度の妨害で、予備機は完全にぶっ潰す
ような状態でした。
検証
これ以上の予備機はないので、別の子局の送信機を
使って現象が起きないことを確認しました。
つまり他の要因で送信しっぱなしするのではなく
明らかに送信ユニット単体での不具合であることを
納得していただくための作業です。
*予備機はこのシステム導入時から箱に入ったまま
20年前使われずに置いてあったもので、新品なのに
なんで壊れる?という認識が違うことを説明するのに
一番労力を書けた気がします。
通電せずとも長い年月の部品劣化はあり、一番最初の
通電でコケるというのは十分あり得ることです。
*外的要因で壊れたのであれば、別の子局の送信部も
組み入れた途端壊す可能性もあるので、システム
全体の回路検討のうえ問題なしと判断しました。
これで送信ユニット不良であると断定し、緊急性のある
現用機はお預かりしてこちらで修理、予備機は日数が
かかっても支障がないのでメーカ依頼となりましたが、
あまりにも古い無線機なので、メーカーも修理不能と
される可能性が大なので、断られればこちらでやるしか
ないでしょう。
原因はPTTオン時に送信部へ電圧を掛けるための
スイッチになっているトランジスタ周りでしょうから
さほど難しくはないと思われます。
オープンコレクタがオープンになりきってない・・・w
もしかしたら他の子局も同様な現象が出てくるかも
しれないので、それなりの用意をしておかなきゃ
なりませんね。
一時的に熱帯地方のスコールのような雨に当たったり
新たに分かったことから作業手順にないことを
やるために許可を得る時の待機時間など、いろいろ
ありましたが16時半には終了しました。
帰路に寄りたいところがあって高速がない道を
チンタラ走ったら、行きの2倍以上時間が掛かって
しまい、帰宅は22時近かった。。。ツカレタァ
注
無線局は免許された無線機しか使用できません。
予備機での運用はコンプライアンスに反しますので
ダミーを使用し擬似的な試験をしなくてはいけません。
また検定を受けている無線機の修理に古くて入手不可能
だからと、代替品を使うことも厳密にはいけません。
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