クエスチョン@リニアアンプ

18微妙・21/24/28MHzでエキサイタからの押しが
あるパワーに達するかプレートやロードVC調整中に発振気味になる。
 ダミーを負荷にして調整中、突然通過型電力計の
 進行電力が跳ね上がり、それに伴い反射が振れだす。
  ・発振すると目的周波数以外のエネルギー成分も出力され
   その成分は同軸ケーブルやダミーと同じ50Ωとは限らないため、
   反射が検出されることになる。
   派手な発振の場合はSWR∞となることすらある。 
   今回はSWR2程度の反射検出だったので、症状としては軽いほう。

ヒント
 ・某氏自作のリニアアンプです。
 ・4極管ですがダイナトロン発振ではありません。
 ・負荷は優秀なダミーで問題ありません。
 ・製作の際の出力回路の接続ミスです。

さて?
 
答え
 π型ネットワークの出力側の接続ミス。
 ロードVCのステータは2本の長~いビスで固定されおり、
 両方に接続端子があります。
 このリニアは、コイルからの配線と切り替えリレーへの
 配線(同軸ケーブル)が別々の端子へ接続されていました。
 この物理的距離は直流やローバンドでは問題にならないものの、
 ハイバンドのハイパワーにおいては無視できない位の
 位相差を生じることになります。
 これが原因で不安定になっていました。

 
確認
 プレートVCやバンドスイッチ・コイルが邪魔をして、
 バラバラにしなければ配線のやり替えは不可能です。
 とりあえず太めのより線の先っちょに半田メッキ(というより
 盛り上げ気味に)して、同軸ケーブルが接続されている端子に
 半田ゴテとともなんとか突っ込んで、勘を頼りに半田揚げ。
 より線の反対側をコイルのエンドに巻き付けて半田揚げ。
 これで何をやっても反射は針がぴくっと触れる程度になりました。

 ・配線だって物理的に長さがあれば位相差を生じるんじゃない?
   そうなのですが、キャパシタンスを作り出すためのステーターを
   配線代わりに使うのと、独立した配線では振る舞いが異なります。
   分かりやすく言えばコイルの延長なっているってことです。
   しかしここは極力近距離での接続が基本であり、そうなっていないため
   若干の不安定さが残っているのでしょう。

対策
 ダミーの漏れを別の機械でモニタしてみると、発振気味の時は
 サイド(±20KHz位)が結構バリバリ状態だったのが、お試し
 対策後は気にならないほどになってくれました。
 でもこのままというのは拙生の製作ポリシーが許しません。(ホントか!?
 ロードVCがいじれるくらいまでバラシて(結構大変)2端子間を
 銅帯で接続してしまいます。
 そこにコイルと同軸ケーブルは一点(不可能なら極力近距離)で接続します。
 
 
ついでに
 VC前後のタイト製絶縁物はスペーサ4本の長ビスで間隔が保たれます。
 そのうちの2本にはステーターが固定されますが、このアンプは
 あと2本が宙に浮いた状態になったままです。
 浮いたスペーサーはシャーシに落としておきましょ。(プレートVCも要対策)
 ・超ハイパワーの場合はRFデッキ内に浮いた(電気的にどこにも接続がない)
  金属を放置することは絶対やめましょう。
  場合によっては真っ赤に焼ける時があります。
  多回路バンドスイッチのスペーサーなどはつい忘れがちです。

ついでのついで 
 ローターはバネになった切片が回転部分に押し付けられて
 接触を保つのですが、プレートVCと比較してロードVCは
 このバネが少々甘い。
 バネの調整が効けばよいのですが、できない場合はシャフトに
 タップを切ってフレキシブルな線(同軸ケーブルの網線など)をネジ止めし、
 回転する分だけの余長をとって他方を出力側に接続します。
 

あ~あ、なんだか面倒くさくなってきた・・・
でもすぐにやっておかないと放置プレーが続きそうなのでさっさと片づけておきましょ。

後記
 他人様製作のアンプの不具合を調べると、自分の製作したものと違い
 回路なども調べないと分からないことが多いため、穴のあくほど眺めることになります。
 ですから細かい粗まで見つけてしまうことになる。
 見つけると放ってはおけない性分・・・・結果として疲れる。
 ま、人に厳しく自分に甘いところは否定できませんが。(笑

 

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