75m伝播の不思議?

Happy Birthday To Me
自分で言うなって?(笑

75mでDXを始めた方から尋ねられました。

Q 明け方のEUが強く入ってくることがあるけれど、
 西日本の方が軽々とQSOに至るのに、8エリアで
 できているのはスーパーステーションだけ。
 DP&1KWで飛ばないのは どぉしてなの?

A1 パワーがないから。
A2 アンテナの高さとスペックが低いから。

なんて回答ではいけませんよね。

KT-22Sから引きおろしたフルサイズIVに、正真正銘の
1KW局ですのでスーパーステーションとは程遠いでしょうが、
それ以下の設備・ロケーションでも西エリアの方は
QSOに至っている理由を知りたいのでしょう。

数日前に電離層について偉そうに知ったような
ポストをしましたが、あくまで素人考えであります。
しかし質問の事例は、拙生が75mにデビューした30年以上前に
同様のことを経験しており、、正解かどぉなのかは分かりませんが、
一応原因らしきものを探っていました。

当時は細長い11階建てのビルの両サイドにある塔屋(12m)から
反対側の塔屋(7m)までがちょうど40m位あったので、水平DPを
張っていましたが、給電部が垂れ下がらないようロープを張って、
エレメントを沿わせたものの、それでも給電部は5~6m、
ディップメータで3.8MHzに合わせただけの代物でした。
(偶然VSWRは1.2以下)

細長いといっても縦方向の中心(屋上のど真ん中)に張った
エレメントでは、打ち上げ角がまともなはずもなく
当時50Wだったこともあり、25mhigh短縮アンテナの
ローカルに楽勝に負けていました。(笑
それでも耳だけは勝っていたため、アンテナとしては
きっとこちらのほうが上だったのでしょう。

ご質問にある通り、明け方にEUの強い局は59+20dB
なんてのがざらにいました。
ところが呼んでも届かない。
パワーがないせい?って諦めていましたが、拙生より飛んでいた
ローカルもどぉやら苦戦しております。

こちらには聞こえなくても、EU同士のQRMがあるので
向こうの耳が・・・などいろな情報をいただきましたが、
なぜ明け方に強力なのか、西エリアは楽勝なのかという
根本的な疑問は解けませんでした。

なんとなくこれだ!って思える情報を得たのは偶然です。
ずいぶん昔のことでコールサインも失念してしまいましたが、
非常に伝播に詳しいと思われるOMさんのQSOに興味を持ち
狸していた時でした。
OMさん曰く、消滅していたD層などが徐々に復活する時間において、
打ち上げ角が高いアンテナの電波でも、突き抜ける際に屈折が起き
低い成分でF層に届く。というお話でありました。
それまでモヤモヤしていた拙生の頭に、これだ!という
一筋の光明が差したことを今でも思い出します。

一つ謎が解ければ後は紐解きです。

どの程度EやD層のイオン化が始まれば、電波が屈折し
F層に最適な入射角で突入してくれるのかは、今でも
調べはついていませんが、(調べてない・・)きっと
狸ワッチの内容は大正解だと決め込みました。
で、浅はかな頭で考えて、当初は東側ほど早い時間、
西日本は遅れてそういう状態になるので、もっと早起きすれば・・・
なんて思いましたが完全な間違いでした。
早起きで3文の得をゲットすること一切はありませんでした。

調べると東の札幌と西の鹿児島では、日の出はたった
15分ほどしか変わらないのです。
札幌より西側であっても南(赤道に近い位置)の名古屋
あたりでは、日の出は札幌より数分早いくらいです。
(逆に鹿児島の日の入りは札幌より1時間以上遅い。)

であるなら屈折するためのD層などにある程度の密度が必要で、
赤道に近い南のエリアでは必要な屈折が起きる十分な密度を
確保しているが、赤道から遠い北海道では現象は存在するものの、
南のエリアほどではない。
と考えることができるのではないでしょうか。

西ではなく南だった。ってことですか。

実はこの考えの裏づけ?をとるために、逆バージョン、
つまりEUが明け方あたりを狙って午後3時位からバンドを
探ったことがあります。
まったく聞こえないと思っていましたが、CQを出すと
すっごく弱い局が呼んできました。東EUです!
次から次へと呼ばれ、受信に苦労しましたがあっという間に
20局位のQSOが成立しました。
で、びっくりしたのはみんなカスカスなのに、正真正銘の
50Wに対して送られてくるリポートはほとんど59とか
59プラスなんです。

これで分かりました。
明け方に、こんなに強いのになんで取ってくれないんだ・・・
なんてグッチっていましたが、送受アンバランス状態なんですね。
それから時間があるときは、その時間帯にCQを出すようにしましたが、
300位のQSO中呼んでくるのはほとんど低緯度のエンティティばかり。
北欧はビーム組みはそれなり(Sが振る程度)の信号でしたが
DP・GP局は数局できた程度で決して強くありませんでした。

75mは力が入っていなかったので、それ以降別宅シャックに
なったときまでのQRVはなかったものの、WKDできたEUの
ほとんどはその時間帯のQSOでした。

現在75/80mは聞いていないので、コンディションがまったく
分かりませんが、休日のその時間帯に聞いてみるとのこと。
とりあえずCQを出してみるように言っておきました。
結果報告によってはGPでも上げてみましょうか。

 注 山岳回折のプロフィール等は引けますが、
   電離層反射伝播に関してはズブの素人です。

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