ジャパンタンゴシクスティファイブ

JT-65やろうと準備しているんだ。と言っていた御仁から連絡が。
拙生は基本的にアナログ人間だし、DXは良いアンテナで環境の
許す限りはパワーを出して・・・という考えに逆行するJT-65は
興味の対象ではありませぬが、御仁のようなアパマンハムで
ベランダアンテナに50W出すのも大変な環境で、超DXとのQSOも
可能な通信方式は、大きな魅力であると思います。

うまくいかないと愚痴をこぼすので話を聞いてみると・・・
デコードはできずにSRI NO DECODEが届いたとか。(笑

拙生は運用には興味はありませんが、貧弱な設備でも
確実な通信という技術的なものに意義を唱えているわけではなく、
EMEの技術として始めて目にした時は、あまりにもの素晴らしさに
何度も読み返した記憶があります。
なので、若干の理屈は知っているつもりです。

御仁に聞き出したのは2点です。
・パソの時刻について。
・パソのサウンドカードとタランシーバーのインタフェイス。

パソは一応UTCに手動で合わせたそうですが、なんと
JSTの表示のままでNTPサーバーに同期を取るような設定に
なっていました。ダメじゃん・・・

ま、それは簡単に治せるとして・・・

次にサウンドカードとのインターフェイス。
無線機のヘッドフォン端子を16Ωで終端し、それを
10KΩのVRで分圧してパソに入力しているとのこと。
インピーダンス合わせは?と訊くと答えが返ってきません。。。

実は上記の方式なら、VRの中点(摺動接点端子)の両側を
2つの抵抗としたπ型アッテネータになってしまいます。
例えば入出力ポート16Ωと600Ωをマッチングさせる場合は
必ず約22dB以上の減衰量を持つアッテネータとなります。
5KΩの抵抗なら中点を上から約700Ω-4.3KΩに置けば整合を
取りつつ23dBアッテネータになりますが、10KΩだと・・・
整合が取れるのが約9.35KΩ-650Ωあたりとなってしまい
このときの減衰量は45dB以上となってしまいます。
パソのオーディオ出力をマイク入力端子に接続するなら
この減衰量でもOKかもしれませんが。

欲しいレベルだけ出してやれば整合がナンボのもんよ?
うーん、欲しがるレベルや各々のインピーにもよりますが、
それじゃぁ直接繋ぎ込んで無線機の音量調整で必要な
レベルを送り込んでも良い?なんてこと誰もやりませんよね。

せっかく少しでも歪まぬように送信側ではRFでもALCの
振れない程度とかコンプレッサーなどは使用しないなどと
気を使っているのに、デコード側のオーディオ部分で
歪ませては申し訳ないじゃぁありませんか。(笑
勿論レベル合わせだけでインピー合わせは二の次でも
デコードはできるかもしれませんが、オペアンプなどで
簡単に処理できるところは一手間を惜しんじゃいけません。
それが面倒とか不得手な場合には既成品に頼りましょう。
(JT-65だけに使うなら割高だけど)

ちなみに上記のご忠告は、簡易的にデコードしてみる
つもりで、同じことをやってレベル不足で同じ落とし穴に
ハマりこんだ拙生の経験によるものであります。(大笑い
勿論デコードだけで送信はしませんし免許的にもF1Dは
申請しておりません。

道北の方で簡単にお伺いできないため、インピーダンスと
レベル両者のマッチングが取れる回路をメールで送ることを
約束し電話を切りました。

JT-65(HF)を初めて試した方がデコードに失敗する
ほとんどの原因が時刻合わせとこいつらしいです。

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