文化の日

何度もポストした内容なのですが、脱Windowsを
啓蒙している都合上、定期的に書くことにしているので
あしからず・・・です。

メインOSをWindowsからUbuntuに変更しでから
長い年月が経ちましたが、最初の頃はこんな
良いものはないと周りに勧めてみたものの、
お金持ちの皆さんはやはりWindowsが良いと
なかなか興味を持っていただけませんでした。
その頃は拙生自身もメインはUbuntuと言っても
結構な頻度でWindowsも使ってました。

そして現在では
Office系・グラフィックス系・マルチメディア系など
Windowsマシンの電源スイッチが入ることは稀です。
(Windows専用アプリが必須の時は除く)
WindowsアプリのいくつかはWineというプログラム上で走らせてます。
全部が動くわけではありませんが、拙生は秀丸エディター
・JWCAD・MMANAなどをUbuntu上で実用しています。
AdobeAirでもいくつか走らせていますが問題ないようです。
WineはWindowsAPIの実装ということでありエミュレーターでは
ないため、Windows上で走らすのと体感速度は変わりません。

実はXPサポート終了あたりでUbuntuを採用した会社が
何社か有り、その会社の社員の方など、個人的なユーザーも
周りに増えました。
すべて無償で賄えるのと、多少古いロースペックマシンで
Windows7や8では使えなくても、動いてくれるので、
まだ使えるマシンを再利用できることが主な理由です。

おかげで最近はかなり初歩的なものや、ディフラグはどうやるの?
などという質問を多くいただくことになりましたが、ubuntu
(というかLinuxディストリビューション)の啓蒙のために、
Ubuntuのファイルシステムはフラグメントが起きにくいので
ディフラグは必要ないですよ、などと極力優しく説明することを
徹底しています。(笑

【軽いものもあれば重たいものもある】

Linuxディストリビューションの中ではUbuntuは重量級です。
現在Ubuntuのメインマシンはi7でメモリも8GB、システムは
SSDにインストールされているので全く問題なく動きますが、
LinuxはWindowsより軽いので、古いマシンでもサクサク動く
というのは一昔前の話です。
多少古いロースペックマシンでも動くと前述しましたが、
UbuntuやFedoraをデスクトップマシンとして使うなら、
CPUは1.5GHzのデュアルコア以上、メモリは1GB以上ほしい
ところです。
ー こうやって書いてみると十分古いスペックですね。(笑 ー
拙生のネットブック(ATOM1.6GHzデュア+メモリ1.5GB)に
インストールしたUbuntuは、特にストレスなくサクサク動き、
小さくて軽いのでどさ回りのお供などに重宝しております。

じゃあそれ以下のスペックしかないマシンでは?
例えばCPU1GHz・メモリ512MB位だと、Ubuntuでは動作が
緩慢になります。
そんな時はデスクトップ環境にLXDEを採用します。
LXDEはLightweight X11 Desktop Environmentの略で
ディフォルトのデスクトップ環境よりはずっとリソースの消費が小さく、
例えばファイルマネージャーはPCManFMが採用されていますが
Ubuntu標準のNautilusなどよりは高速軽量です。
軽量と言っても機能は問題無く、Nautilusと同様にWindowsの
エクスプローラーにはないタブブラウジングもできちゃったりします。
(UbuntuのNautilusと入れ替えも可能)
ファイルマネージャーって結構な大飯喰らいなので、非力な
マシーンでは有効な手段なのですよ。

LXDEを使う方法は2通りあります。
Lubuntuという最初からデスクトップ環境がLXDEを採用している
ディストリビューションをインストールする方法と、標準のUbuntuを
インストールしてからLXDEをモジュールとしてインストールする方法です。
拙生は後者で行います。
後者の場合非力なマシンではインストールに時間がかかるのですが、
Lubuntuでは例えばLibreOfficeなど、拙生にとって必須のアイテムが
同梱されておらず、結局あとからインストールすることになるので、
主だったアプリがほぼ同梱されている標準のUbuntuをインストール
してから、デスクトップ環境を差し替えします。

この方法を取ると最初のログイン画面でインストールされている
複数のデスクトップ環境を選択できるので、状況の応じて切り替えて
ログインすることもできます。
LXDEをインストールしても元の環境が削除されてしまうことはなく
このへんがWindowsと違いLinuxは非常に柔軟なのです。

拙生は数多くあるデスクトップ環境を試すのに、すべてをUbuntuに
モジュールとして組み入れ、ログイン時に切り替えてお試しします。
ですからお試し用Ubunutuマシンには以下のデスクトップ環境が
インストールされています。

unity  重い
gnome-shell  重い
KDE(Kubuntu) 重い
Xfce(Xubuntu) やや軽い
LXDE(Lubuntu) 軽い
Cinnamon GNOMEのフォーク
MATE やや軽い
Fluxbox    超軽い
JWM      超軽い

もちろん軽い≒低機能となりますので、機能的に遜色のない
LXDEあたりで妥協したほうが無難で有ります。

さて・・・
いくら優れたOSでも、アプリが使えなかったら意味がありません。
Linuxディストリビューションに同梱されるFirefox(ブラウザ)
Thunderbird(メーラー)LiberOffice(Excel互換Officeソフト)
VLC(メディアプレーヤー)GIMP(高機能ペイント・フォトレタッチ)など
多くのアプリはWindowsにも移植されています。(=優秀)
どうしてもWindowsでしか動かないソフトを使う必要がある場合を
除けば、拙宅ではほぼUbuntuしか立ち上げません。
つまりWindowsにできてUbuntuでできないものはないと言うことです。
(UbuntuにできてWindowsではできないものはあります。)


文化の日に語る【オープンソースの文化】

オープンソースという言葉が一般的になる前にはフリーソフトウェア
と呼ばれた時期がありますが、いわゆるWindowsでいうフリーソフトとは
異なります。

フリーには無償(無料)という意味と自由という意味があります。
Windowsの場合のフリーソフトは無償(無料)ということで、
オープンソースのほうは有償か無償かの規定はなく、自由という
意味のフリーです。

オープンソースって・・・こんな感じです。

■ 再頒布の自由

  無償・有償のいずれでもかまわない

■ ソースコードを頒布

  オープンソースと呼ばれる所以である

■ 派生ソフトウェアも同じライセンス条件であること

  入手したオープンソースソフトウェアをモトに派生
  ソフトウェアを作成することや手を加えることができる
(著作権の同一性保持の権利を適用しない)。
  それらは元のオープンソースソフトウェアと同一の
 ライセンス条件でなければならない。

■ 作者のソースコードの完全性保持

 作成したソースコードのパッチファイルなどの
 差分情報を頒布することでプログラムの変更を認める場合、
同一性の保持を要求してもかまわない

■ 特定の個人やグループを差別しない

  輸出制限などの法規制がある場合も、
 ソフトウェア自体に制限を取り込んではならない。
  (法に従うかどうかは別問題という解釈)

■ 利用分野で差別をしない

 特定分野(商用も含む)での利用禁止などの制限をしてはならない

■ 追加ライセンスを要求しない

  再頒布を時に密保持や同一性保持などの制限を加えない

■ 特定製品でのみ有効なライセンスを設けてはならない

 配布するアプリケーションの一部にオープンソースソフトウェアが
  使われている場合、そのオープンソースの部分のみを取り出して
 自由に利用することを制限してはならない

■ 他のソフトウェアを制限しないこと

 オープンソースソフトウェアと同じ媒体で頒布される
 他のプログラムについてもオープンソースソフトウェアとする
 というような条件を要求してはならない

■ 技術的な中立の確立

使用条件に対し「同意する」のボタンをクリックしないと
ソースが入手できないような手段をとらない

つまり他人様が開発したものを自由に使えるが、自分が開発や
改良したものも自由に使われることを妨げてはいけないのです。
(自由に使えるということは販売の自由も含みます。)

なぜ自由がよいのでしょう?

例えばいくら大企業といえども、閉鎖的な開発環境内で
コストとパフォーマンスとの凌ぎ合いの中から作り出される
大衆向けOSやアプリはには、サポートも含めて限界があります。

世の中には企業に属さない優秀なプログラマーがたくさんいます。
世界中の優秀なプログラマーがオープンな環境で自由に開発や
したものが優れていることは当たり前です。
なぜならバグがあったり使い勝手が悪ければ、即是にブーイング
が起き、改修されてゆくからです。

バージョンがアップされるスピードも早く、ユーザーのニーズは
いち早く反映されます。
しかし、新しいものがより良いとは限りません。
ユーザーによってはバージョンアップにより、使い勝手が悪くなったと
感じる人もいるでしょう。
実際拙生にとっては、現在Ubuntuの標準デスクトップ環境である
Unityは全く使いづらいもので有ります。
Windowsでいうスタートボタンがなければふてくされてします。(笑
そこでgnome-panelとgnome-session-fallbackをインストールし、
デスクトップ環境にGNOME Classicを選択してログインしています。
Classicとなっていますが、このFallback Modeは実際には以前の
GNOMEのように見せかけているだけなのですが。。。
しかしこのようにユーザーニーズに対し開発のフレキシビリティが
高いのは自由だからでありそれこそがLinuxなのです。

ちなみにWindows8.1にも当然デスクトップ画面にスタートボタンを
付けてあります。(Windows8.1に付いているスタートボタンまがい
ではなく、StartMenu8というフリーソフト)

拙生流にまとめると・・・

  ソースやライセンス条件をオープンすれば自由にやってください。
  ただしおかしなことをやればオープンなのですぐ分かっちゃいますよってこと?

  一流のプログラマーが企業・個人を問わずオープンソース開発に
  参加しているのはなぜ?
  
  奉仕やプログラマーの心意気など、日本人の好む精神論もあるでしょうが
  実際のところは、 自分の得意とする分野で貢献すれば、自分が不得意でも
  その分野を得意とする他のプログラマーが補ってくれ、結果として
  優れたOSやアプリケーションソフトとして自分に帰ってくる

 これがオープンソースの文化なのだと理解しています。
 タダだから・・・ボランティアが開発したから・・
 きっとお粗末なものと思ってしまう貴方は、儲け過ぎベンダーの戦略に
 マンマと乗せられています!(笑 
  

【番外編】

メモリが256MBしかない場合は、LXDEでもやることによっては
動作が緩慢になります。
環境によってはGUIのインストールができない場合もあります。

そんな時はPuppyLinuxなど、もっと軽量なものを採用すれば
びっくりするほど高速で動作します。
パピーリナックス日本語版のISOファイルは現時点の最新版の
5.7.1でそこそこのアプリが同梱されていても全部で134MBです。
これで作成したLiveメディアから起動すると、ディレクトリツリーを
メモリに読み込んで‌RAMドライブとして動くので、通常のHDDに
インストールした時と変わらずに高速に動きます。

今時こんなマシンを探すほうが大変かもしれませんが、メモリが
128MBしか積んでいないものは、旧バージョンの431JP(112MB)
にして、パソコンのストレージにLinux用Swapのパーティションを
作っておくとよいでしょう。
パッピーはライブメディア起動時に自動的にSWAP領域を認識し
それを利用します。
すでにSWAP領域を設けている場合は新たに作る必要はありません

このようなマシンで表計算や画像処理は難しいですが、インターネット
メールやブラウジングに使うのなら問題はありません。
ただしそのようなマシンはグラフィックもお粗末でしょうから
Youtubeなどではコマ飛びの静止画状態でしょう。(笑

注意
Liveメディアをメモリに展開する際に多少時間がかかります。
またネットワークで固定IPなどの設定はその都度行う必要が
有りますが、設定をストレージに保存しておくこともできます。

特筆
LiveCDやUSBメモリはOSが起動しなくなった時のファイル救済に
モッテコイで有ります。
特にパピーは軽量なので読み込みが早いことと、ルート権限で
起動するので、特に細工しないで内蔵HDDなどにアクセスしても
怒られないのが最高です。

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