コアと遊んだ

溜まっている事務処理で1日が過ぎました。
オアソビは仕事の合間合間でしたが、キーボードの横に
取っ替え引っ替えで、ずっとコアがありました。w

今回割れていたFT240#43は補修済みですが、何度も補修を
した経験があるので、これらはうまくいったほうです。
実は補修ビギナー時にはくっつけ方が下手くそで、
補修品の2個スタックで1.5倍のインダクタンスしか
取れなかったり、3個のスタックで2個分だったものを
捨てればよいのに、みてくれはしっかりと補修できたため、
捨てきらずにいくつか取ってあったことを思い出しました。

鉄心コアのAL値計算時にギャップがある場合の計算が
あるように、フェライト系コアの場合もギャップが
ある場合の計算式があります。
割れたところをピッタリくっつけて補修した場合、
ギャップが小さい時の近似値
損失係(tanδ) / 実効透磁(μe)
が成り立つのではと思ったりしたのですが、実際に
そぉはいかなかったのは、接着剤を気前よく付けすぎ、
見た目より実際のギャップが大きいということなのでしょう。

しかし捨てればよいのに・・などと言いましたが、
万全でなくともこれはこれで使い道があります。
例えば真空管式リニアアンプのプレートRFCや
フィラメントのチョークコイルなどがそれに当たります。

補修しても2スタックで1.5倍・・・と、うまくいかなかった
補修履歴のある2スタックでプレート用RFCを巻いてみました。

DSC_0322

プレート用RFCの必要スペック

1.必要なインダクタンスがあること。
2.使用周波数帯に自己共振(ホールが)が無いこと。
3. 電流容量が十分であること。
4. 広帯域に動作すること。

すべて対応できてます。

1 AL値が下がっていれば巻数を増やすだけです。
  24回巻で必要な720μHですから、補修履歴なしの
  正常な2スタックより数回増やすだけです。
2 巻線を見ると分かるとおり寄生容量は殆ど無視して
  よいほど間隔が開いていますので、ホール気にする
  必要はありません。
3 実測直径1mmちょっとのエナメル線でAWG18の銅線相当。
  これをタイトやテフロンのボビンに巻くと巻数が稼げず
  インダクタンスも少なくなり、密着した太い線の寄生容量で
  ホールができやすいものとなります。
  AWG18は瞬時最大許容電流なら16Aですから明らかな
  オーバースペックでAWG24(直径≒0.5mm)相当でも十分ですが、
  トロイダルコアなら問題なく使えるため手持ちを流用しただけです。
4 モノバンドなら必要ないスペックですが、マルチバンドには
  必要ですよね。
  最低周波数(例えばトップバンド)に必要なインダクタンスを
  大型コアで一発で巻くと、高い領域で不安定になることがあるので
  高い領域用に小さめなコアとのタッグ使用で解決します。
  プレート側に高域用160μHとし、それに低い方の領域用として、
  電源側に720μHを直列に接続します。
  計880μHは1.8MHzに対し10KΩ弱のリアクタンスなので、負荷インピー
  5KΩでも2倍はある計算です。
  
いくら見た目の表面積が大きいといっても、クラック補修部で
熱絶縁が起きている可能性は否定できませんが、1ピースに熱が
集中するとは思えませんし、集中したとしてもRFデッキ上の
通風に気を使えば発熱は抑えられます。

適当な線材がなかったのでフィラメントチョークは巻きませんでした。
GGアンプで50Ω入力なら、1.8MHzでその10倍の500Ωなので、45μHで
十分ですから、1個では6.5ターンです。
補修履歴のある万全ではない3スタックは2スタック分しか無いので
それでも4ターンも巻けばOKでしょう。
巻数が減ることは磁気飽和を起こしにくいにつながり、太い線材が
使えることで電流容量が増え、銅損による発熱が減ることになります。
ま、シロッコで下から吹くクーリングであれば、チョークに常に
風が当たるため、全く問題はありませんけど。

つまり・・・万全なものでなくとも使えるので使っちゃえ!
ってことですよね。w

明日は最後の小樽。
明後日からは名寄(1日だけ)・富良野です。

  

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