サース・パース・イァース

クラウドのお話しです。

拙生と仲が良い友人の息子さんの会社は、安価な
レンタル(共用)サーバーを契約して、主に
ホームページとメールの運用をしていましたが、
ホームページのユーザー数が増えてきて、更に
web上であんなことやこんなことも出来ないかと
上司から相談されたこともあって、見直しを
するときの相談を受けました。

友人息子は特定のアプリに関しては拙生よリ100倍も
詳しいのですが、サーバーに関してはからっきしで、
ホームページ導入時のサーバーについても相談され
結局は構築時に手を貸した経緯があり、乗りかかった
(かなり古い)船でしかたありませんね。(笑
サーバーが不得意なのでレンタルサーバーにしたのに・・・
と嘆いていましたが、サーバーのお勉強をする気は
まったくない模様ですし。。。w
若いのですぐに覚えるのにね。。。

さて本題です。

共用サーバーは、字のごとく1台のサーバーを複数の
契約者で共用して使用しますので、サービスは安く
提供されますが、自由度はありません。
レンタルサーバー会社によっては、独自のサービスが
受けられるようになる場合もありますが、
安価なものを奮発して上位のコースを選択してみても、
基本的にスペックが上がるのは、使用できるディスクの
容量や転送量、ドメイン数やメールアカウント数
データベース数などであり、いろいろやりたいという
要求に対応することは難しいでしょう。
理由は簡単で、共用で使うためroot権限が与えられず、
提供されたOSなどのサーバー環境をそのまま使うためです。
先日書いたPHPやデーターベースのバージョンなども
選択できないので、使いたいアプリが稼働可能であるのか
調べた上で契約する必要があります。
もう一つはサーバーリソースを分け合って利用するため、
他のユーザーの稼働率がなどにより高負荷状態のときには
パフォーマンスがガタ落ちすることもあります。

root権限を持つことが出来て自由度が一番高いのは
もちろん専用サーバーであり、1台まるごとレンタル
してもらえるサービスですので、サーバーリソースは
独占することができます。
CPU3GHz4コア、メモリ16GB、HDD500GB(RAID1)
というスペックが月額1万円程度からありますが、
安価なものは100Mbpsを共有する回線だったりするので
アクセス数が多いwebサイトを運用するときは
回線を補強するオプションがあれば採用すべきでしょう。
いくらサーバーのハードスペックが十分でも、webサーバーで
ネットワークがボトルネックになってはいけません

大概はいくつかのサーバーOSが用意されており、
拙生が使っているCentOSも多く見られます。
サーバーアプリを簡単にインストール・設定が出来たり
監視機能やヘルプが付いていたりする場合もありますが、
基本的にはサーバーOS付きマシンが手元にないだけで
あとは自身で運用することになります。
つまり運用段階に漕ぎ着けるまで、その後のメンテなどに
自前サーバーとほぼ同等のスキルが必要になります。
クラウドのIaaSやVPSというシステムもありますが、
仮想サーバーというだけで、基本的には自己管理です。
IaaSとVPSの違いを語ると長いので次回に。。。

サーバーが苦手の友人息子には酷なので、もうちょっと
ハードルが低いものというとクラウドのPaaSがあります。
IaaSがOSから自己管理なのに対し、PaaSはOSと
PHP・JAVAなどのプログラム言語、データベース等
サーバーアプリが稼働するための環境が予め用意
されているものです。
これだとPaaSの環境の中で実行できるアプリを
インストールして運用が可能になります。
予め用意されている環境の中・・というのがネックで
プログラム言語やデータベースバージョンなどの
自由度はないのがIaaSより劣ります。
そのへんはレンタルサーバーど同様ですが、契約した
リソース分が保証される点で優れています。

いろいろやりたいということが全て網羅できるなら
SaaSという手もあります。
SaaSとはクラウドサーバー上で稼働するアプリ機能
のみを提供するサービスで、たぶん一番有名なのは
セールスフォースではないかと思います。
顧客関係管理ソリューションのクラウドコンピューティング
サービスは世界シェアNo.1ですね。
日本ではOffice365やAdobeのCreative Cloudですか。
おっと、忘れていましたがGmailなんかもSaaSです。
でも手軽ではあるものの、いろいろやりたいということが
全て既製のサービスで網羅されることはないでしょう。

いろいろやりたいこいうとが決まっていて、将来も
変わらないのなら、PaaSでも良いでしょうけど、
それでは共用サーバーと大差がないので、Iaasに
したら?ということで締めくくりましたが、
よほどのアクセス数でない限り、サーバーをお勉強して
自前サーバーにするほうが、費用や労力の初期投資は
大きくても、将来性は無限大かと思うのですが。

HOME

おすすめ